第1部 第15話「華宮 結衣奈」
1
「ああ。もう。仕方ないなあ!」
「!? 結衣奈!?」
必死で幼女を守る少年と、それを魔法で、モンスターから守る少女。
こんなの周りから見たらどんな風に見えるだろうか。
「お前っ! なんでここに!? さっき来たら殴るぞってめっちゃ言っただろ! 」
「何でって、パーティーだから来たの! あと、本当はこんなことするんじゃなくて、もっと目立ちたいけど、わざわざ貴方を助けてあげてるの! 感謝してよ!<\(///>_<///)/>」
そう言いながら、まるでガンマンのように、矢を一つ残らず全てモンスターに当てる結衣奈は、何故かいつもよりも、とても可愛く思えた。
2
……はっ。何を考えているんだ僕は。
僕には、この世界に来る前からずっと心に決めていた人……、希里花さんが居るじゃないか。
いけない、いけない。
「何よそ見してるの!」
……? うわぁ……なんだろ。あれ……。
「はぁ?」
「ほら! イリシアちゃんの周りに集中!」
「ああ……。」
その時、僕の目には、
「……いいから早く見て!」
「……楽しそう。」
まるでピエロのような格好をした男が写っていた。
「見なさい!」
「!? はっ、はいっ!」
……? 僕は今、何が見えていた……?
楽しそうって、何が?
そう思いながら、イリシアの方を振り向く。
「……?」
謎の疑問を抱きながらも、ひたすらイリシアを、スライムのダイヤモンドの欠片攻撃から守る。
「キャッ!?」
希里花さんの悲鳴が聞こえた。
「希里花さん! 大丈夫ですか!?」
「あ、うん。別にこのくらい。魔法防御あるし。」
まあ、そうですよね。魔王ですもんね。
「……ていうかそういやダイヤモンドなんだから、炎の魔法で倒せるのか?」
「しらないけど、倒せるんじゃない? ほら、HPだってこんなに減って……減って、減って……。減って、ない!」
「えっ!?」
「とりあえず、隠れよう!」
3
「ねえ! 加賀谷くんって確か、引くほどのゲームオタクだったでしょ! なんかあのスライムみたいな奴を倒せる方法はない!?」
「引くほどのって……。えー。なにかありましたっけ?」
※ただいま記憶思いだし中
「あっ! たしか『モンスタークエストX:ブレイドアンティミテッド』の公式ファンブックに、『スライムは水に弱い』って書いてありました!」
「分かった! イリシアちゃん、水の魔法使えない!?」
「……使えません。」
「えぇっ!?」
「私なら使えるぞ~。」
「そう。じゃあおねが……って結衣奈ちゃん!? いたの!?」
「居たわ!とにかく撃ってもいいんだよね!」
「ええ! バンバン撃って! なんなら加賀谷くんも巻き込んで良いわよ。」
「ちょ、希里花さん!?」
「ありがたく巻き込んであげる。ちょーどこいつにムカついてた所だから。」
「ちょ、やめ、」
「アロー・オブ・」
「結衣奈!やめt……」
「ウォーター!」
「アギャアアアアアアァァァァァァァ!」
4
帰り道。
「うー。」
僕は眉毛を八の字に曲げ、そんな声を上げた。
「ねーねー。加賀谷くーん!」
そう結衣奈が挑発してくる。
「ふんっ!」
「そんなに怒らなくても良いじゃん。」
「……。」
「それにおあいこ。でしょ?」
「……はあ?」
「加賀谷くんは私にひどい事をたくさん言った。あと私が助けてあげてるのに、有り難うの一言も言わなかったじゃん。だからおあいこ。」
「いや、どこが。」
「さあーて!今日のご飯は何かなあー!」
「おい!」
____________________________________________________________今回はここまで!
さて。2部もいよいよ次回で終わり。3部へ続く事となります。
あいにくまだどうしようか決まってない為、更新が遅れる可能性があります。そこはどうかご了承を。
追記
今回の後半、ほぼセリフになってしまいました!
あとで解説など入れておくので、どうかそこら辺もご了承願います!
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