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「自転車があるなら最初から言ってよ!」
夏は自転車を走らせながら澪に文句を言った。自転車は(澪の説明によると)唯一、ドームの中で舗装が終わっている道の上をかなりのスピードを出して疾走する。どうやら補助動力のようなものがついてるらしく、いくら走っても全然疲れないし、それに軽い力でペダルをこいでも、驚くほどの速度で走った。本当に便利な乗り物だった。どうやら遥手作りの個人的な発明品らしいが、本当に販売して欲しい。自転車は自転車置き場に二台置いてあった。一台はきっと予備用だろう。
予備の自転車にはビニールのカバーが付いたままだった。
その予備の一台をクリスマスプレゼントとしてもらえるか、遥にあとで頼んでみようかな? と風の中で夏は思った。
その塗装された道と最新式の自転車の存在を夏に教えてくれたのは澪だった。塗装された自転車道はとてもうまく草木によって偽装されていて、自転車置き場(乗り場?)は駅と同じく森の中に自然と隠されていた。だから夏はそれらの存在を澪に教えてもらうまで、それらの存在に、まったく気がつかなかった。
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