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「タイムマシンって結局なんだったんだろうね?」

「空想科学」遥は言う。

「でも、ただの空想ならここまで有名にならないでしょ? 現実可能だと思われていたり、時間旅行をしたいって考えた人が大勢いたからこそ、今もこうして記録が残っているわけだし」夏は言う。

「夏はタイムマシンが実在したとしたらどうしたいの?」

 どうしたいか? 未来にいくのか? 過去にいくのか? それとも両方行くのか?(リスクが高すぎる? それはタイムマシンの性能にもよる。なかなか難しい質問だ)時間を超えることでなにを変えたいのか? なんだろう? 自分の未来を変えることかな? 他人の人生に干渉することだろうか? でもそれなら時間を超える必要はない。未来は存在しない。どんな未来でも創造することができる。他人に干渉することも同じだ。時間を超える必要はない。ではなんで人は時間を超えたいと思うのか? それはきっと運命を変えたいからだ。自分と、他者の、運命を変えること。それは過去へと旅立つこと。起こってしまった出来事に未来の情報を持ったまま干渉すること。選択肢を選び直すこと。選ぶことのできる選択肢を増やすこと。それが時間旅行の目的。つまり人は運命を変えるために時間を超えたいと空想するのだ。

 ……そう運命だ。夏は思う。時間旅行は運命を変えることができる。それは時間を超えなければできないことだ。では運命とはなんだろう? それはあらかじめ決められている人の定めのようなものなのだろうか? それは私にもあるのだろうか? ……私の運命とは、いったいなんだろう?

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