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「ずっとここに籠ってるの? 変わり者なのは知ってるけどさ」
照子のいる部屋の反対側の部屋。遥の部屋に二人は移動した。遥は夏の話を聞いてはいるけど返事は殆どしない。夏は一人でしゃべり続けている。遥は二人のために熱いコーヒーを淹れてくれる。それを見て夏は椅子に座る。夏はとてもリラックスしていた。緊張が解けて、その代わりに好奇心が強くなる。
単純だけど、心が強い。
遥はそんな夏を見て相変わらずかわいい子だなと思った。
「さっきの子があなたの研究対象なの?」
「そうよ。もうずっと照子と一緒に暮らしているの」
遥はコーヒーを一口飲んでから答える。
「おしゃべりしたり一緒にご飯食べたりしないの?」
夏は部屋の中に置いてある大きなディスプレイを見た。さっきから画面の中を白いクジラが泳いでいる。四角い枠はまるで大きな水槽のようにも見えた。
「照子は人とうまくコミュニケーションがとれないの。普通の食事も食べられない。代わりに薬を飲ませるの」
「飲ませる?」
「補助が必要なの。でも手元に道具を置いておけば、ちゃんと仕事もしてくれるんだよ」
照子と呼ばれる女の子。その子とそっくりな女の子を夏は目撃した。
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