しんしんと

降り注ぐ綿菓子は

ぼくを埋めにやってきました


神さまか誰かが

ぼくのことを屍とみて

大急ぎで葬儀の準備をしています


こんなご好意

そんなに受けられるもんじゃ

ありませんから


ぼくは傘を捨てて

まずは肩から埋まりにゆきます

それから足がすっぽりと包まれて


段々と冷たいものが

染み込んできます

ああ、本当に死ぬかもしれない


そう思った時にはもうずっと前から

ぼくは子供のように

美しく、白く、固まっていました

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る