我は織田信長と呼ばれた武将なんだけど、あの時...してれば天下統一できたのではないか?

ほびっと

プロローグ

 天正10年6月2日


 ここは京都、本能寺である。


 信長は明智光秀による謀反で窮地に立たされていた。



 ――――――


 信長は「本当は面倒くさいけど、皆が言うなら中国攻めちゃおっかなー? 行っとく? どうよ? 」とノリで中国遠征を決め、出兵の準備のために上洛して本能寺に逗留していた。


 ところが、本能寺は明智光秀の軍に包囲され、本能寺は紅蓮華の炎に包まれ、激しく燃えていた。

 そして、織田信長はその燃え盛る炎の中にいた。


「光秀が裏切ったとか...マジムカつくわ〜。」

「てか、光秀に秀吉のとこ行けって拙者命じたと思うんだけど...。」


 信長は明智光秀に秀吉への援軍に向かうように命じていたが、光秀は信長への謀反を企て京都に進軍し、そして今に至る。


(どうせ死ぬなら敦盛舞っちゃおっかな?)


 信長は最期に自分のお気に入りである敦盛を舞うことを決めた。


「人間五十年、化天のうちをクラブレェ、熱ッチ!」


 しかし、この炎の中で敦盛を舞う事は簡単なことではなかった。

 そして信長は内心こう思った。

(もう〜敦盛舞ってる途中なんだから炎も空気読んでよ〜。)


「さて、気を取り直して、くらぶれば、夢幻の...アチッ!ごとくな...アッチいなもう! 」


  「てか、よく考えたらこんな燃え盛る寺の中にいたら敦盛なんで舞うとか無理だし!」


「アチっ!」


「もうなんなの...マジで熱いんだけど、拙者はここで死ぬのかな?」


「嫌なんだけど...死ぬとかまじ無理なんだけど...。」


「もう逃げ道ないしな〜もうこれまでなのかな...。」


 信長は己の死を確信し、懐刀を抜き刃を見つめる。

(メチャクチャ自害するの怖いんですけど...。)

(拙者の一生ってなんでこんなことになっちゃったのかな?)

 信長は今までの出来事を振り返り、考えを巡らせていた。


「あの時あーしてればなー...マジで天下統一できたんじゃね?」


 そう呟き、信長は涙ながらに笑みを浮かべた。

 そして、信長は懐刀を己の腹部にめがけて突き立てた。

(...あっ是非にも及ばず言うの忘れてた!)

 そう信長は思ったがもう遅かった。


 消え入る意識の中で信長は後悔していた。


(死にたくないな...。)


(あー人生やり直してー。)


(桶狭間の戦いで今川倒した時とか快感だったなー。)


(火縄銃とか初めて見た時感動したな。)


(あの辺りからやり直したいなー。)



「「その時、信長を謎の光が包みこんだ。」」



(え? なになに、これ何?メッチャ光ってる! 超キレイだわーマジベーなんだけど!)


(なんか頭ボーッとしてきたわ...眠くなってきた...。)


 そして信長は意識を失った。

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