異能者たちの苦悩-先にあるのは絶望のユートピアか? 希望のディストピアか?-【オカルトも神話も、歴史も今も、世界も宇宙も、すべてはひとつに集約される】
第283話 深夜アニメ『中華ファンタジー・異世界ガンマン』
第283話 深夜アニメ『中華ファンタジー・異世界ガンマン』
俺は寄白さんとの電話を終えてから、なんとなく
間違ってもここで虫の報せなんて使えない、いや使わない。
しばらくすると社さんからの返答があった。
【気にしなくてもいいのに。 社雛】
社さんらしい返答だった。
それでも俺はいわずにいられなかった。
それからはなんてことはないふつうの学校の話題になった。
俺は山田の習性をもっと詳しく知りたくなってメールすると社さんから折り返し電話がかかってきた。
「
「なるほど」
「明日から
「なんで?」
「改修工事。六角市の高校は一校から順番に建てられていったんだけど自然災害なんかで劣化する順番はまちまちだから」
そういや今、
「へー」
「それで
九久津はまだ病院だから、社さんと九久津がばったり会うってことはない。
「ほんとに? 寄白さんもいるからきてよ」
まあ、社さんはもともと「
バシリスクのときも校長室までやってきた。
放課後なら練習試合で他校の生徒が校舎にいることもよくあるからな。
※
社さんとの電話を終え今日の俺は完全にフリーになった。
だがしかし、この時間までに用件を終わらせて体力を温存したのには
そう、今日の深夜から新作アニメがはじまるからだ。
半分お子様のエネミーでも寝ずにテレビの前でスタンばっているに違いない。
いや、すでに仮眠さえしている可能性もある。
俺は眠気覚ましの効果も考え目薬を差しに一階の洗面台に向かう。
階段を降りているときにふと気づく。
この目薬を差しはじめてから九久津の兄貴とのシンクロが減ったような気がする。
赤い涙を透明にする薬【
俺はまた鏡の前であっかべーをして右に数滴、左に数滴目薬を落とし九久津の兄貴に挨拶して部屋に戻った。
そして刻々と迫りくるアニメの放送時間に備える。
有名アニメ会社『アニメトロン』制作『中華ファンタジー・異世界ガンマン』がはじまった。
おっ!!
な、なんとオープニングがいきなりワンシーズンの派生グループだ。
『
け、けいせいぼうかん? なんだそれ? てかそんな派生グループいたのか? そもそも俺は六角市出身のミアって娘さえ知らなかったんだ。
いたかもしれないし最近
正月特番も秋とかに撮ってるらしいしな。
ああー!!
この曲のプロデューサー
昨日エネミーが
でも
おおげさな名前つけやがって、ハリケーンの威力なめんなよ。
世界でどんだけ被害でてんのか知ってんのか?
オープニング明けですぐに『
四人メンバーはよくわからないけど、じゃっかん校長似の娘がいたのはわかった。
――独りキャンプはGRナイフで!!
おお、キャンプ用品、とくにナイフで有名なGRがスポンサーか。
ようやく『中華ファンタジー・異世界ガンマン』本編がはじまった。
さっそく主人公がトラックにはねられて異世界にいく。
第一話ってのは良くも悪くも世界観を掴むので精一杯、ここまで観た感じはテンプレだな。
世界観とステータスの説明が終わって、またCMが流れる。
ふたたび『
そして後半開始で第一話の見せ場。
主人公が床をゴロゴロと回転しながら銃弾を避けていく。
そして場面変わり、建物の引きの
いいところで終わったな。
ここでまたCM。
――ガイヤーン!! ただただガイヤーン!! なんにせよガイヤーン!!
ガイヤーンってあのカラオケで食べたあのガイヤーン? これからガイヤーンはやるのか? 女子高生に大流行するのか? ガイヤーンがガンマンチックだから無理やりCMねじ込んだのか? そのうちガイヤーンと『中華ファンタジー・異世界ガンマン』のコラボ商品でるな。
でもこのガイヤーンのCMは商品よりも
”ただただガイヤーン”ってどういう意味やねん!!
そのあとにまた『
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