第29話 野次馬な職場で日が暮れる
ココは某役所C課。今日も元気に残業です。
え? いつもと違う? そこは忙しいところだったので皆で遅くまで残業は当たり前でした。
で、会社で言うと本店なのでいろんな人が出張などで訪ねてきます。
「すみません、ワタセさんいますか?」
ワタシ「はい。ワタセさん、お客様ですよ」
ワタセさん「あ、トヨタさんお久しぶりです」
ワタセさん「僕が研修の時に一緒だったトヨタさんです。彼女、名古屋の役所なんですよ」
トヨタさん「ええ、出張でここまで来たものですから。確かC課にワタセさんいたなあ、と」
(あ、こりゃ、お酒好きな課長が『よし、久しぶりの再会とはるばる出張を労って飲むか!』のパターンだな)
課長「そうかい、じゃお先に失礼するよ」
(あれ? じゃあ、ワタセさんが接待するのかな? わざわざ出張とはいえ、ここの課に来るのだものな)
ワタセさん「ま、こんな日もありますよ。普段は飲みに行くのですけどねえ」
(いやいやいや、あんたが接待行きなさいよ。それか音頭取りなさないよ。乗ってあげるから)
ワタセさん「それでですねえ、今の僕の仕事は……」
(ストップ、ストップ、スト~ップ! 今はここでおしゃべりじゃないだろう!)
結局、ワタセさんは延々としゃべり続け、ワタシが退庁するまで数時間しゃべりっぱなしでした。
~翌日~
ワタシ「はあ、ワタセさん、あれは無いわあ( ==)」
ナガノさん「達見さんもそう思いますよね?」
ワタシ「はい、恐らくワタセさん以外の全員同じこと思ったかと。異性がわざわざ訪ねてきているのにフラグ折りまくっているのはなんとも( ==)」
ナガノさん「あ~、男性はまだ聞いてませんが、他の女性に聞いたら全員同じこと思ってたそうです。言葉はなんだけどワタセさんは、だから独身なのでしょうね」
ワタシ「残念過ぎる(;´Д`)優秀なのに」
……ココは某役所C課。草食系男子ってここまで鈍感なのかと戦慄が走った出来事でした。
少なくともお腹空かせていただろうになあ、彼女(´Д⊂ヽ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます