第24話 ネーミング(1)
如月の苦手なことの一つに「名前付け」があります。どーしてもキラキラネームにしたいというキャラ以外は、ごく普通の名前にしたいのです。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、如月は近所の人や親せき、お友達や先生、とにかく近くにいる人の名前を使います。
その中で名前がかぶらないように組み合わせています。山田と島田が一緒に居ると「ヤマダ、シマダ」なんて紛らわしいので、そういうのは避けます。
例えば『空が茜色に染まるころ』には7人しか出てきませんが、斉木、坂田、水谷、山根、田野倉、島崎、杉本と、なるべく音の近くない名前を選んでいます。
日本人ならまだいいんです。『Dragon Palace』は中世くらいのヨーロッパのどこかっぽい雰囲気で書いているので、流石に山科や桑原ってわけにはいきません。
まあ、主要メンバーはドロシー、グロリア、サイラスなどありきたりなところを拾ってきたわけですが、難しいのがエルフさん。エルフってね、なんかこう、エルフっぽい感じの名前があるでしょう? 指輪物語みたいなね、あんな感じのね。
エルフも調べりゃそれっぽい名前はいくらでも出てくるから、まだどうにかなるんです、もっと難しいのが地名。もうどうにもなりません。
地名なんて、その土地の歴史とかも絡んでくるわけです。
しゃーない、地形をそのままイタリア語やスペイン語にしてしまいました。山の町はモンターニャとかね、城下町だからカスティロとかね。そのまんまじゃん。自分も間違えずに済むし、これ一石二鳥じゃん。作者が覚えられないような名前を読者に覚えろなんて無茶言いません。
架空の生き物を考えるのも難儀します。
架空の恐竜を作ろう。恐竜と言えば『なんとかサウルス』『なんとかドン』が鉄板です。
でもね、『ステゴサウルス』なんて漢字が浮かぶんですよ、可哀想な境遇の恐竜だな、って感じでね。『ノトサウルス』や『トロサウルス』もなんかこう、半島だったり遺跡だったりして、やっぱり音が漢字ベースなんですね。そういうのもあって『なんとかサウルス』よりは『なんとかドン』を探したりするわけです。
何かいいのないかな~なんて考えてると、割と浮かんでくる。『チュウカドン』『ナベヤキウドン』『ハルマゲドン』『三匹のヤギのガラガラドン』……やっぱり『なんとかドン』もやめた方がいいな。
*
最近では名前に苦労しそうなジャンルを避けてます。フツーの日本人しか出てこないもの書こう。大変だし。
そこで考えついたのが、ファンレターをくださった方の名前を使うという裏技です。姓と名をバラバラに使えます。ファンレターにお返しはできませんが、次の作品に登場していただくという大技をやってしまいます。しかも主役級の脇役クラスに使っちゃう。
先日ファンレターを下さった方(母娘3人)は、『風、薫る。風、巡る。』でお母様を敵役のラスボスに、娘さん二人を仲間の最強イケメン兄弟に。
『フレンチクルーラー殺人事件』の主人公と犯人も、『GIFT』の友人も、みんなファンレターを下さった方たちです。
もう、ファンまで使っちゃうという罰当たりなヤツですね。すいません。
いやもうほんと、名前を付けるのには参ってるんです。自分の名前を使ってもいいよという奇特な方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひお声かけ下さいませ。
……読者に助けて貰おうなどとは。またシロート発言をしてしまったようだな。
※応援コメントでainaさんが「使っていい」言ってくださったので、早速『風、薫る。風、巡る。』で使わせていただきました。他にもいらっしゃいましたら応援コメントでお知らせください。(ただしどんな役で使うかは保証できません)
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