悪魔になってイイノ?14話 背負われて
背負われて
「ググァア」
「珠樹ちゃん大丈夫?」
「ヴヴぅ、ま、まだ大丈夫。けど……詩織ちゃんと少し話させて」
「うん~。分かったよ~」
上空の詩織ちゃんに代美ちゃんがおそらく念話を送り、詩織ちゃんが下りてきた。
「どうしました? 珠樹」
「あ、のね、私が、もう危な、くなったら、悪魔に、なった、ら、槍で、真っ、二つにして、お願い……」
「珠樹ちゃん! そんなのダメだよ~」
「お願い!」
私は詩織ちゃんの腕をつかみ、お願いをする。
「分かりました。では、そのように」
「詩織ちゃん!」
その後何やら念話をしているようで、何か代美ちゃんが頷いて、
「そういう事なら~。うん、分かった~」
そう言いつつ、軽くお祓いを続けている。周りでも戦闘音が鳴り響く。
「代美ちゃん、私、何とか、して、小麦、ちゃんを、助けたい、だ、から、説得、させて」
「うん、いいよ~」
「あり、がとう、ね。ずっと、さっき、から、ね、助けて、って、小麦、ちゃんの声が聞こえ、るんだ」
「成程ね~、でも珠樹ちゃん呪いを遅延させるために苦しいんだから少し大人しくしといた方が良いよ~」
「わかっ、た」
私は混沌とする頭の中で小麦ちゃんの説得方法を考えていた。
「……珠樹を狙って出てきたか。六角!」
そんな声を聴いて私は苦しさで閉じていた目を開ける。場所の確認、私の通っている学校の屋上の上空、屋上に立っている悪魔から何か言葉を感じる。コロセの声と助けての声が……。
「おろ、して」
そう言うと、代美ちゃんと神奈ちゃんは少し悩んでから、屋上に下り立った。そして私は代美ちゃんの背中から降り、
「小麦チャン、皆ヲ元ニ戻シテ……。ソシテ私ヤ皐文チャン、代美チャン、神奈チャント喧嘩シテタアノ時ノ小麦チャンニ戻ッテヨ……!」
しかし彼女は、何も言わずに、私たちに攻撃を仕掛けてくる。しかし、それらはすべて、下りてきていた詩織ちゃんが防いでいる。そして私の意識も遠のいてきている。どんどん黒くなり、暗くなる。視界も蝕まれていく中、代美ちゃんが本気のお祓いを開始したのと同時に、
「五線五連断」
詩織ちゃんが小麦ちゃんを突き刺したのが目に見えた。そこで私の意識は覚醒した。
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