姉妹でイイノ?

姉妹でイイノ?1話 偽ものの女

偽ものの女


「エスキお嬢様、ご飯でございます」

カーリーが言う、あたしは本物の花を見るのをやめ、偽物の仲間の処に向かう。カーリーとは一言も交わさずに付いて行き、食堂に着く。

「エスキ、今日はあなたの好きなオムライスよ。さあ食べましょう。」

「いただきます」

皆でご飯を食べ始めた。あたしと義母も会話することなく、オムライスの味がする何かを食べながら、偽物の花を見てご飯は終わった。

「ごちそうさま」


食後、散歩をしているとシヴァが現れ、

「あなたも散歩ですの? いいですわね、気持ちがいいですもの」

隣に並んで歩きだした。あたしとしては、あまり一緒に歩きたくなかったのだが、しかし気になる言葉があったので質問に答える。

「散歩、その通りですが、何を言っているんですか、偽物に気持ちはないのでしょう?」

するとシヴァはにやっと笑い、

「その通りですわね、人間なんて全て偽物ですわよ。言葉も気持ちも思いも。……そう言えば今日も食事の時、また母上と話していなかったですね。そろそろ話してあげてもいいのでわありませんか」

「偽物の会話をしろと?」

 すると今度はムッとした顔をして

「……」

黙り込んでしまった。そのままあたしたちは別れて部屋に帰った。そう偽物、人は偽物。虫や草木、動物は本物。だから命を頂くときは手を合わせる。偽物が本物になるために、食べることを許してもらうために。

 部屋に着くとホイッスルが落ちていた。膨らんでいる部分の側面には悪魔の顔に似たものが描かれていた。それを手にとった時、それが何なのか解った。これは悪魔を呼び寄せて、持ち主に従わせる物だと、あたしは思いっきりそのホイッスルを吹いた。すると部屋中に悪魔が現れ、

 「お待たせしました、666体集合しました。我らが主様」

 あたしは数の多さに唖然とした。こちらの世界の悪魔は多いようだ、そこに母上が来て、

 「いい兵が集まったわね、ならば、この世界を滅ぼしましょう、そしてこの世界の資源を集めて、魔法世界に復讐するのよ!」

 「はい、母上の言う通りに」

 そしてあたしの義母はあたしたちが悪魔を制御できるように、ホイッスルを量産に乗り出し、あたしの授業は難しく、キツくなった。

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