もう、ない
もう出来ないことを出来ないと認識する時、
どうしても心が虚無に襲われるのです
たらればなど侮辱に程近く、侮蔑で醜悪、
軽蔑されても仕方がないことなのです
出来ない、が心許無い
出来る、が心底恐ろしい
ふと怯えて空虚を見つめている時
考えるのは、いつだって出来た事が出来なくなった事実
どちらも比較してしまう為、どうしてもどうしても
心に槌を打たれているような振動が何度も何度も
鐘を打っているように響き、中で共鳴するのです
できなくなってしまった
できるようになってしまった
しかし、もう、ない
出来るようになるモノも
出来なくなるモノも
もう、ない
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