遠く

空がいい

晴天、薄水色。糸引く雲

なにより霞んだ山が遠くにみえる


空はいい

まだら雲の白さが際立ち

空気さえもおいしく思う

なにより遠くに見える山がいい


浮かび佇む山をみて

目が合う気がするのです


ここまで、おいでとは言われないが

その遠さに、すとんと落ち着くのです


近場に散らばる呪いより

遥か彼方の空と山が

私のすべて


私の小さな心を救い上げ

ここだけではないと思わせる


逃避と言われては否定ができない

だけど事実を言うならば

顔を上げて遠くを見つめ

悲しくなりそうで、泣きそうで

暖かく、嬉しく

とても静かに、

身体全てが空色になれるかもしれないのです

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