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 もちろんスーパー銭湯の楽しみは入浴だけではない。マッサージやリラックススペースもそうだが、来ると必ず注文するものがある。それはこのクランベリージュースだ。

「っぺぇ」

 めっちゃ酸っぱい。身体中がきゅうってなるくらい酸っぱい。でも、それがいい。

 栄養めっちゃ取ってる~、って感じがする。だってこれ、クレンベリーほぼ100%だから。そりゃすっぺぇはずだ。

「はぁぁぁぁ」

 ストローを咥えながら椅子に全体重を掛けた。

 クランベリージュースはカクテルでも良くベースに使うもので慣れ親しんだものだが、こんなに美味しいジュースは飲んだ事がない。何かを隠し味として入れてあるみたいなんだが、訊いてもはぐらかされて終ってしまう。企業秘密、なのかもしれない。

何度か試してみたが同じ味にはならなかったし、今ではもう諦めた。美味しいものは美味しい、それでいいじゃないか。それにこのジュースではカクテルには向かないようにも思うし。

だからこの美味しいクランベリージュースは、ここでしか飲めないものなのだ。

温泉と岩盤浴、それからマッサージとクランベリージュース。楽しんで仕事をしていても疲れは溜まる。ここはそんな俺を身体も心も癒してくれるスーパーな場所なのだ。

「ありがとうございました」

「どうも」

 自動ドアを抜けると、ヒュッと風が吹いた。外は少し寒い筈なのに、ほかほかの身体には全然効かない。それどころかなぜか心がワクワクした。

「明日からも頑張ろ」

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