愚痴ってやる! 激オコ!
トチイ 青
第1話ある日のお店にて
その日、雨が降っていた。
カッパを着て自転車を漕ぐ。まるでてるてる坊主の自分にちょっぴり浮かれる。
雨が降っているのに、てるてる坊主の自分が、陽気に「てるてるぼうず~ てるぼうず~」と歌いながら自転車を漕ぐ。
これって、不審者?
なんて、自分突っ込みを入れつつ到着したお店。
店内は、やはり快適で隅にある椅子で少しぐだぐだしたくなる。
で、別に急ぐ用事がある訳でなし、自転車漕いですこーし疲れていたので、一休みしようとしたところに、けたたましい子供の声。
「お前オニな」
「えー、ずるい。あっ、さちがオニして」
「いいよ。10数えるね」
「逃げるぞ~!」
女の人二人と子供が4人、お店に入ってきた。
子供たちは、店内で駆け回り鬼ごっこを始めた。オニが10数えて駆け出す。
当然、お店なので買い物をするお客さんがいるが、子供たちはお構いなしに駆け回る。
その結果は、当たり前のことで、買い物客とニアミスだ。また、商品に当たって落ちて行く。
一緒に入って来た女の人が母親だろうが、そんな子供たちを温かく見守りつつ井戸端話に花を咲かせる。
困ったのは、お店の店員に買い物に来ていたお客さん。
甲高い子供の声に、私は頭が痛くなった。
ばさばさ がちゃん
どこかでまた、商品が落ちたのだろう。お店の人もこれには弱り果てた。注意したくてもなかなか出来ない。一応お客様だ。
しかし、我慢の限界はすぐそこだった。他のお客様から、注意をして欲しいとのリクエスト。
店員の中で、誰が言いに行くかもめていた。
そこで勇者が立ち上がった。ついに店員が、勇気をもって、母親に注意をしにいった。だが、1人では怖い。
2人で行って、へっぴり腰になりながら話し出した。
「申し訳ありませんが、お店の中での鬼ごっこは、他のお客様のご迷惑になりますので、やめていただけますか?」
「子供のすることでそんなに言う必要ないでしょ」
「ですが、他のお客様が危険ですので・・・」
「雨降っているのに、どこで遊べっていうの!!」
「ここは、お店ですので・・・」
「もういい! 二度と来ないし、ママ友に言って回る!」
うーーーん。凄い! その一言に尽きる。
心の中で、店員さんに拍手。貴方は、よく言った!! 私も、店で買い物をしていた他のお客さんも、恐くて遠巻きにしてしまった。
世の中は、物騒になっている。云いたくても、注意したことで逆恨みされて殺されることもある。
それを考えると、つい躊躇してしまう。それが悪いとはいえないけど、やっぱり悔しくもあって、そんな自分に激おこかな。
ここでのポイント
お店は、遊び場ではありません。
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