空欄の隙間と闇の底

壱闇 噤

『手紙』

君から貰った たくさんの手紙

一つ一つ 大事にしまってきた、僕だけの『宝物』


一つずつ広げて 君からのメッセージ言葉を聞こう


ある時はその時見たスズメの事


又ある時は人から聞いた、不思議な話の事


いつも内容は違うけれど


決まって最後に書かれている、小さな言葉


きっともう僕が 聞くことのない その言葉は

今 他の誰かに向かって 言われる言葉


あの時 なぜ 君に言えなかったのだろう

僕が救われた言葉を君に


今更 後悔したって 時間は戻ってきやしない



だから 今 僕は君に伝えられなかった言葉を言うだろう



『ありがとう』



僕はその言葉で救われました

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