1 おさな恋

私は

小学校に入ったばかり


ボブカットのつやのある黒髪を

逢坂初音おおさかはつねちゃんは

かわいいとよく撫でて貰った。



お隣に住む

高橋大紀たかはしだいき君が

お家に藝大の現役生を

呼んでいるらしい



どうやら

絵を習い始めたようだ



絵は好きだよねと

母に訊かれた


幼稚園の頃から好きですと

元気に答えた


お隣に行って一緒に習ったらと

すすめられ

私もお絵描きが好きなので

習う事になった



私は小学一年生


お隣の高橋君は

私より一つ上の二年生


遠野純生とおのすみお先生は

分からないけど大学生


遠野先生の事

両親よりも大人に見えた


落ち着いた感じがした



絵を描くのはとても楽しかった


スケッチブックと画材を持って

お隣に行く火曜日は楽しかった


遠野先生は

優しく教えてくれた


知らない事を沢山教えてくれた




毎週

毎週


がんばって続けて行った

火曜日が来る度に

通って学んだ



毎年

毎年


がんばって続けて行った

春夏秋冬

季節を感じた


小一

小二

小三

小四

小五

小六


ずっとずっと

がんばって続けて行った

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