EXレネゲイド物品「ワンス・アポン・ア・タイム」の変質についての報告
[CONFIDENTIAL][MX02RP246]
EXレネゲイド物品「ワンス・アポン・ア・タイム」の変質についての報告
UGNメキシコ支部長 カルロス・ベレス
1.概要
文書管理番号MX02RP223にて報告した紛失事件の際、EXレネゲイド物品「ワンス・アポン・ア・タイム」(以降当該ERAと呼称)(訳注1)のそれまでの特性を逸脱し、特異な性質を獲得している様子が確認された。
2.詳細
当該ERA発見直後、当日の警備職員であるアレハンドロ・モデストと、当該ERAを保管チャンバーから持ち出した当支部所属職員カルラ・オラーノが会話している際、当該ERAが会話に割り込んで話し始めた。詳細なやり取りは付録1の会話ログを参照のこと。音声データ中のエコーがかかったような声が当該ERAの発言である。
当該ERAについてそれまで確認されていた機能は形態模写と音声複写のみであり、状況にあわせて発言を行うなどといった高度な機能は確認されていなかった。
3.事後処理
当支部研究部と協議中。当該ERAの状態は安定しており、緊急性は低いと考える。
当支部での取り扱いを決定し次第、追って報告するものとする。
----------------------------------------
【訳注1】原文:Extra Renegade Artifact ”Once upon a time”
【付録1】会話ログ:EG02RP246_voicelog.mp3
----------
成人男性の声
「それで、どうしてこれを自室に持ってきた?」
子供の声
「こいつがそうしてくれって」
成人男性の声
「いいかカルラ、これはお前たちがおもちゃにしていいような代物じゃないんだ」
子供の声
「でも、毎日ぼーっとしてるだけでつまんないって」
成人男性の声
「いい加減に嘘をつくのをやめなさい!これは人型だが喋ったりはしない!」
エコーのかかった声
「まぁまぁいいじゃねえか、そんなに怒ってやるなよ」
成人男性の声
「そうもいかん。危険な物品でないとは言え、ERAを無断で持ち出しているんだ」
「それで話の続きだが、お前はどうしてこれを持ち出した」
子供の声
「だから、こいつにそうするよう頼まれたんです」
成人男性の声
「(溜息)どうしてさっきからそう嘘をつくんだ」
子供の声
「嘘じゃない!」
エコーのかかった声
「そうだよ、俺が頼んだって言ってんだろ」
成人男性の声
「さっきからうるさいぞ。今は取り込み中だ、黙っていろ」
「ちょっとまて、今喋ったのは誰だ?」
----------
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます