348日目 頭と体は使いよう??
第二試合が始まると、リードはジャージーに指揮権を委ね攻撃側に打って出ると言って雪玉を持ちリザさんの口癖をジェスチャーで止め。
ミーノには背を低くして攻めるようにと伝言して進行する中・・・・
ハルトたちの方は進行して来ているリザさんたちを打ち倒すために小細工をひたすらに仕込んでいた。
「あと少しでヤツらが来ると思うからそれまで何としてでも数を揃えて作り上げるんだ。
くあぁぁ~~~手がつめてぇ~~~メルトの方はどうだ??できてるか?」
「何とか3体は作ったけど手を付けるか目を入れるかで迷ってるのよね。
ここはここをこうして・・・・目と鼻をちょちょいとすればいいできじゃない!!!」
「おい、そんな細かな所までする必要はないから数を揃えることに集中しないか。
私なんて6体も作り上げているのだぞ??もう手がカチコチで凍ってしまっている様で・・・あぁ・・・魔力で温めたい・・・」
「カチコチな手を温めている魔王には悪いのですが・・・・
これは雪だるまではなくて氷像ではないですか??
しかも雪壁に彫刻しているとか・・・妙に凝った作りをしないでください。
あぁ・・・ハルト、このままだと私たちの作戦は失敗に終わっちゃいますよ?」
キルりんが泣き言をいうもハルトは3人に口を動かさずに手を動かすよう必死に訴えかけ。
相手側の雪玉が飛んでこない事をいいことにさらに雪だるまや雪の彫像を増やしていくと・・・何とか無事に完成しハルトたちの防衛ラインには数体の雪だるまに彫像された雪壁というもはや目くらまし要素しかないフィールドに仕上がっていたが相手をかく乱させ攻撃位置を割り出すにはとても便利な方法で。
それはすぐに実を結ぶ結果となっていた。
「おぉ、アレはジャージーの言っていた雪だるまに隠れる技と見た!!!
そーれ!!!それそれそれ!!!コレでダウンは確実!!!あれ??中に誰もいない??と、いうことは・・・・・あばぶ!?」
「よし、こっちはミーノを倒したぞ。
案外この雪だるま作戦はいい案だったかもしれねぇな。
ジャージーにワザとネタバレさせておいたかいがあったってもんだ。
この様子だと無茶をしなくて行けそうだしメルトたちにも1人倒したら下がるように言っておかないとな。」
ハルトはダウンしたミーノを置いてメルトの方に向かい1人ダウンさせたら後ろに戻るように伝言を入れて戻ると。
雪玉が上空から投げ込まれてくるなりメルトはその軌道を目掛けて投げ込むとリザさんを見事に打ち倒し残すはジャージーとリードだけになっており。
その慎重さにも磨きがかかる頃だとハルトは配置されているキルりんや魔王たちを集合させ・・・最後の防衛と称して新たな行動に移すことにした。
「で、こんな方法で本当に勝てるの??
道をワザと雪で埋めるなんて・・・ルールブックにはやってはいけないって書いてないからいいけど時間がかかりすぎない???」
「だからこういう時の為に作っておいた雪だるまを利用するんだろ??
もうネタはバレてんだしこういう雪ダルマを壁に倒して叩き付けてこうするだけで・・・・ほら、新しい道と壁が作れるわけだ。
――――――――――で、この工程をそことそことそこにしてくれ。」
「はぁ~本当にハルトはこういう悪知恵が働きますよねぇ~
私がいたアサシンスクールにいたら暗殺ルート製作課に入れるレベルですよ??
――――――――――暗殺教科書でも作ってみますか??」
「今はそんなことを言っている場合じゃないぞ。
リードとジャージーという強敵が残っているのだ。
ここは何としてでもハルトの言った通りにルートの変更を済ませなければだ。」
「けど、この作業は本当に大変ね。
あとどんだけの雪を集めれば気が済むのよ。
コレで雪だるまは全部壊し尽くしちゃったわよ??足りるの??」
メルトたちは手分けして雪だるまを運んだり崩したりして壁を増築してあったはずのルートを作り変え。
とうとう最後のルートを作り終え・・・・後はリード達が攻めてくるのを待つだけとなった。
「ねぇ本当にこの作戦は大丈夫なの??
私の考えだともうガッツリせめて倒しちゃえば丸く収まると思うのだけれど・・・・」
「シッ・・・静かに・・・足音が聞こえたのでリードかジャージーがこちらに来ていますよ。
リードなら私が相手しますので誰か確認できませんか??」
「よ、よし・・・そう言うことなら俺が見てやる・・・・ん?おわッ!?
雪玉を的確に投げて来てるのとあのすぐに壁に隠れた動きからしてジャージーだ。
だからココは俺は惹き付けるから魔王たちは援護を頼む。」
「あぁ私たちの援護に任せておくが良い!!
こういう時の私たちも頼りになることを再確認させてやろうぞ!!!」
雪玉を投げて来ていたジャージーを惹き付けるべくハルトはワザと雪玉を投げつけて足音が聞こえるように移動し。
その足音を頼りに追いかけるようにしてジャージーは消えていき、その後方から魔王とメルトがこそこそと後を追尾すると・・・・
ハルトの逃げ込んだ先にジャージーが入ろうとした所を狙い撃ちジャージーを華麗にダウンさせたと思いきや。
「甘かったね、本当は私はリード何だよ。
つまり・・・今頃キルりんが戦っている相手は・・・・ジャージなんだよ。」
「そうか、だったら余計に勝ちやすくなったかもしれないな。
あの仕掛けたトラップが上手く通用するはずだからな。」
ハルトはリードにウソ偽りなく語ると、近くから2人くらいの人数が走る音が聞こえ。
それはキルりんと後方から追尾するジャージーの姿があり・・・・
キルりんはリードとは違う事から作戦プランの最終項目を行うと雪壁と新たに作った壁のすき間をササっと入って消え。
その壁のすき間にジャージーもここまで来て引き下がれないとその凹凸のあるボディーを隙間に差し込み移動しようと少しずつ進ませるが。
やはりと言うべきかキルりんでギリギリのスキ間を通ることができずある部分がとても窮屈そうにしており引き返そうと後ろへ動くと声が聞こえて来ていた。
「ハイハイご苦労様です。
こんなキツキツになるまで私を追いかけてくるなんて涙が出ちゃいそうですよ。
まぁ私の涙は違う意味で流れているのですが・・・私でギリギリのスキマにそのボディーはさすがに無茶だと気が付きませんでしたか??
それとも大は小を兼ねると言う言葉を信じていた結果でしょうかね?」
「まさかこんなにも胸が苦しくなるなんて思ってもみなかった・・・・
ごめんなさい、私の負けを認めるから窮屈なここから出してくれないかしら??」
ジャージーは届きそうで届かない手をキルりんに伸ばすがキルりんはその手が届かないと言って自分では無理だからとハルトを呼びに行き。
その後ジャージーはハルトたちに何とか救出され・・・そのまま試合はハルトたち人間とサキュバスチームの優勝となり国王から優勝賞金1億2千万ゴールドを受け取り。
その報酬の殆どを借金返済に充ててしまい手元に残ったのはほんの数十万ゴールドという現実に涙を隠せずにいた――――――――――
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