336日目 不死者は副作用になりにくい?


 ハルトが謎の薬品で復活した翌日・・・いつものように動けるハルトは体に違和感がないからと言って魔王たちに少し街へ散歩に出かけると言って。

ゆっくりと足を進めていたがその速度は次第に早くなり、気が付けば足は速足からダッシュに切り替わり到着した場所は心の中でざわざわして落ち着けなかったことの証明と・・・・副作用を知るためにメディエルの研究施設にやって来ていた。



「おいメディエルどこにいるんだ??魔王に謎の薬を持たせて投与させたメディエルさんよ~~んあれ??

ここにいるって聞いてみて来たが・・・・人の影もねぇじゃん。

それに・・・何だよこの試験管の毒々しい色はよぉ・・・

何の研究してるのか気にしないようにはしたいが無視できねぇよな・・・コレ。」

「ん??あれれ??ハルト君じゃないの。

って、言う事はあの黒い薬品Aは無事にハルト君の体で形状をうまく変化させて毒素を食べて吸収したようだね。

――――――――いやぁ~~~よかったよかった!!うぐぐ・・・この手はなんだいハルトきゅん??」

言いたいことは山ほどあると言わんばかりの顔にメディエルは話をさせて欲しいとハルトに手を離すよう伝え・・・手を離したと同時にメディエルは話す前に1発キメてからと言って数ある試験管の中から1本の試験管を選びグビグビと飲み始めた。



「お、おい・・・メディエル・・・お前そんなの飲んで大丈夫なのかよ??

どいつもこいつも試験薬って書いてるが・・・怖くねぇのか?」

「ん?なんの事だい??ハルト君は何でもかんでもビクビクし過ぎだよ??

ちょっと試験薬だとか副作用と言葉にためらいはあるのは生きてるものにとっちゃ大変由々しき事態かもしれない。

けれどね??ハルト君は最強無敵の不死者なんだよ??

それもとびっきりタフな不死者だ。

だから副作用で全身の穴という穴からどろっとしたスライムが流れ出して来たり。

体の骨という骨が全部なくなってたりしても全然困った事じゃないと思うんだよね??私の言ってる事分かる??

つまりこういいたいわけだよ!!!もっと気楽に楽しくいこうよ??」

メディエルの気の抜けた表現にハルトは全力で「なれるか!」と言い返し。

本題である自分の体を感知させた薬品によってもたらされる副作用や他の異常はないのかと問うと。

メディエルは即席で毒の緩和と状態異常を取っ払うための調合をしただけでこれからどんなが出るのか不明だと無責任なことを言うが。

メディエルはそれよりも目の前でしっかりと地面に立つハルトをくまなく観察し・・・・本当に今のところはどこにも違和感がないのかと問い。

ハルト他今の所何ともないと答えるとメディエルはさらに不思議がりハルトの血液で体に毒素が残っていないか調べてもいいかと言い出し。

ハルトは何か妙な事をしたら研究所を潰すと脅しつつ血を抜いてメディエルが調べた所・・・・



「こりゃ驚きだ・・・本当にハルト君の体には毒素がいなくなってるよ。

それとも私の作り出した薬剤がアルティメットに良かったのかな??

謎が謎を呼ぶ結果にしんそこ私は頭が重いけど何かあれば声をかけて。

こういう未知の研究は割と嫌いじゃないし今後にでも行かせそうだからねぇ~いやぁイキのいいモルモットが手に入ってよかったよかった!!」

「俺はモルモットじゃねぇよったく・・・それじゃ何かあれば頼らせてもらうが。

――――――――本当に大丈夫なんだろうな・・・・この体はよぉ。」

ハルトはメディエルと別れて家に戻って行くと、メディエルは何度も何度もハルトの血を覗いては他のサンプルにあった血と見比べ・・・大きな違いがあるのではと探していたがそこまで大きな違いがあるわけでもなく深く椅子に腰かけていた。



それから家に戻ったハルトは、リビングに崩れ去るかのようにしてもたれると。

長い間家を留守にしていたハルトの身を案じた魔王が体調はどうかと尋ねて来た。



「体の方は昨日とはずいぶんと違ってよくなっているな。

だが・・・メディエルの薬品がここまで効果を示すとは想像もしていなかった。

メディエルも奇怪な薬品以外にもまともなものが作れると言う証明となったところで・・・・今夜はメルトが言っていた宴会を酒場で開くそうだが行けるか?」

「宴会か・・・そう言えばメルトは昨日からそのことで頭がいっぱいなのか・・・

ずっと宴会宴会って今日の朝も煩かったな。

―――――――で、そのメルトは今どこにいるんだ??」

「ただいま戻ったわ!!!

あ、ハルトやっと戻ってきたのね!!!酒場を使うのに走ってもらおうとしてたのに全く戻って来なくてワタシがちゃちゃっと済ませて来たわよ。

で、調子はどのくらい大丈夫なのよ。

ぐびぐびシュゴビー飲んでも平気な感じ??」

病み上がりのハルトに対していつも以上に無茶を指せようとしているメルトを魔王が止めると。

先ほどから姿を見せないでいたキルりんが部屋から現れ、これから毒草を探しに行きたいと言い出してハルトたちを巻き添えに毒草探しが急遽決まり病み上がりなハルトと魔王たちはキルりんに連れられて雪山の毒草探しに出かけた。



「うぅぅ・・・さむぅ~~~なぁキルりん。

俺は必要なかったんじゃないのか??毒草つみならお前ひとりの方が効率が良くてやりやすいだろ?

だから今からでも俺たちは戻って寛いでもいいだろ??」

「いえいえ何を言ってるんですか??

今回どうして毒草を集めに来たのか知ってますか??

ハルトが使用した毒薬がたっぷり仕込まれた爆弾に使った毒草分までとは言いませんが。

ある程度の備蓄がなければ少々困りますので手伝ってください。

それに・・・もしも今回の毒草探しをしている最中に大型の魔獣や害獣に見つかったら毒草つみ所の話ではないですし頼みますよ。

魔王やメルトもあんなにやる気に満ち溢れて探してくれてるのですよ??」

「毒草がこんなところにも!!!

意外と毒草は育ちが良いのか見つけやすいな。

お、こんなところにも毒草があったぞ!!!」

「はいはいそれは良かったねぇ・・・へっくしょい!

ズズズ~~~あぁ~~私も毒草もとい薬草が入れてたから協力はすると言ったけれど。

流石に寒すぎて手が言う事を聞かなくなってきてるわね・・・・

ここは一気に雪を消してしまえば見つけるのも早いかしら??

――――――――兎にも角にも!!!やることが大切!!!

――――――――――――――!!!よし!!!」

メルトは辺りの木々に燃え移らないように魔法で雪を溶かして毒草を採取しやすくすると共に寒さを軽減しようとしたのだが。

それは逆の結果となり、溶けた雪が凍りさらに寒さが増していた――――――――

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