331日目 巨大なクロバチのボス


 何かと共に吹き飛んだハルトは痛みと共に何がどうなのやらと手を闇雲に動かしてまさぐり・・・何やら柔らかなるものに触れたと思えば。

次の瞬間には触れた方向からどギツい打撃が見舞われ・・・ハルトは天井に突き刺さっていた。



「このバカみたいな腕力と声の持ち主・・・まさかせっちゃんか???」

「んん!?私の胸に触れて来たのは・・・は、ハルト!?

ううん・・・今はそんな話をしている場合じゃない!!

さっき何かとぶつかったのがハルトだったのはだったけど。

私はとんでもない相手と戦ってるの!!だから力を貸して!!!」

と、ハルトの想像通り胸の柔らかさはともかく殴りつけた剛腕の持ち主はせっちゃんで。

どこに消えたのかと思えば何やら強敵と戦っていたらしく・・・ハルトを天井から引き抜いて状況の説明をしようとした際・・・外からメルトや魔王たちの声が聞こえ。

せっちゃんはハルトの腕をぎゅっと掴んで家の外に全力で飛び出すと、そこには巨大なクロバチが魔王と戦いメルトとキルりんはあまりにも大きなクロバチにどよめいていた。



「何よあのクソデカキモいクロバチ!?

あんな大きさにまで成長するのあれって・・・・マジきもいんですけど・・・超ヒクわ・・・・」

「私もあそこまで大きな体格のクロバチが存在しているとは聞いたこともありません。

ですが私の想像だとアレがこのクロバチの長たる《《女王)》ではないのでしょうか??

だって・・・頭に王冠みたいなのが乗っていますので・・・・」

「あぁ~なるほど~~~って、バカ!!!それなら逆に王様かもしれねぇだろうが!!!

いやいやそんな事よりもせっちゃんはあんなのと戦ってたのか!?まさか一人で??」

「そうだとも!!あの巨体に攻撃を入れてはみたモノの高濃度の魔力で作られているのか体に傷1つ付けられずに手を焼いていてな。

それに・・・何やら不思議な香りのする液体をかけられてから私しか狙ってこない状態で・・・・」

「それならば私にもさっき振り撒いたアレの事か??

ピンク色をした甘いフレグランスのような香りの・・・・クンクン・・・」

魔王の体にも先ほどピンク色をしたものをかけられたらしく、せっちゃんと魔王は頭上でブンブンと飛び回るクロバチに気に入られたらしく。

執拗に追いかけられており、魔王の大剣でその突撃を避ける際に攻撃を入れるが体は鋼のような音と共に弾かれてダメージが入らない様子であった。



「この体はアンチマジックボディか。

魔を持って魔を制する・・・体は魔でできているが故に他の魔とは混じらないし傷つけられない純粋な魔の産物だ。

メルト・・・アレを倒す方法は何かあると思うか??

魔法や私たちの魔力を使ったモノは効果をなさない。

それにメディエルのアイテムもきっと魔力で精製したモノだろうから期待はできないと思う。

何にせよこれから時間は私とせっちゃんで稼ぐからその間に他のクロバチを対処しつつ考えれるだけ考えてくれ!!

さぁ大きなクロバチよこっちについてくるがいい!!!」

「私も魔王とあの大きいのを惑わすために出るからハルトたちは完全に仕留められるように作戦を考えて!!!

―――――――――――鬼化!!!」

「いや、魔力が通じないんじゃメルトに作戦を丸投げした時点で終わりなんじゃねぇのか??

メルトは寝ても覚めても魔法をブッパのバカだし・・・・ん?魔力??

なぁ1つ確認だがよ・・・キルりんって魔法とかそう言う間に携わったりしているのか??」

「何を今さら・・・私はこの体で魔法何て使えるわけないですよ。

人間ですし?まぁ魔導の道は限られた血縁と運がなければ開花しないので私には縁もゆかりもないことです。

それがどうかしましたか??それともその話でまた私をバカにしようって言うのならハルトは本当には容赦をよの字も与えませんので覚悟して・・・むごごッ!?」

ハルトは何かが思いついき、キルりんの口を塞いで考えに考え。

キルりんの口を再び解放し・・・通常サイズのクロバチの毒による致死量はどのようなモノなのかと尋ねると。

毒草系統を少々という事から大きさから考えて大量の毒草があれば何とかなるのではと考え付いたハルトはメルトに魔力で中を密閉するような魔法が使えるかと問うと。

自分にできないことはないと不安を煽るような言い方で返事し・・・問題が起こった際にはメルトの責任にすればいいとハルトは考え。

頭の中で作り出した作戦をキルりんたちに伝えると・・・キルりんも同じように考え。

とある結論が出たのかその結論を口に出した。



「ハルトの言いたいことは分かります。

私の天然資源で作る毒草を使ったクロバチ・・・女王クロバチ専用の毒物を作って殺すと言うのですね??

その発想は実に面白くて興味があります。

ですが・・・それは不可能、いえ・・・実現できそうですが下手をすればになりかねませんがどうしますか??」

「はぁ!?何でそうなるんだよ!?俺たちはただあのデカイクロバチをどうにかしようとしているだけなんだぞ??それがどうして国家反逆なんて・・・・」

「えいやッ!!!死ね死ね死ね!!!!

それはねハルト??アンタのその面白愉快な脳にわかりやすく説明すると。

きっとあれだけの生物を殺すだけの毒素は普通の市民がニオイを嗅ぐ又は息をする程度で即死する濃度の毒になるってことよ。

密封するにしてもさせる必要があるわ。

それをアンタにできる??きっと死ぬ方がいいって思えるくらいの痛みと苦痛だと思うわよ。

まぁ他に耐えられそうな人間も魔族もいないわけだし・・・・ハルトがやるかぶっつけ本番で誘導で起爆させるかよね。」

メルトは辺りにいるクロバチを魔法で討伐しつつ答えると、キルりんも小さく頷き。

このまま町全体で消耗戦で戦ったとしても大ボスが逃げては意味がないと悟ったハルトはキルりんに自分が何とか起爆させると言ってメルトにも漏れないようしっかりと魔法を貼るように言い聞かせると2人はハルトの目に曇りも何もないと感じ。

その遺志に答えようとキルりんは家に戻って作成を始め、メルトは背伸びをして欠伸あくびをかいて魔法をクロバチに向けて乱射しながらハルトに呟いた。



「ハルト、あなたは私の使い魔なんだから最後の最後まで消える事なんて認めないし許さないわよ。

だからすぐに終わらせてすぐに祝杯を挙げるわよ!!だから今回の宴会はアンタも最後まで付き合いなさいよ!!!」

「はいよ・・・お前にそこまで言われたら死のうと思っても無理だな。

でもまぁ簡単にくたばれるのなら簡単にくたばってるが・・・どうも死神は俺の魂はいらないみたいだぜ??」

ハルトの皮肉交じりの言葉に2人は笑っていると魔王とせっちゃんが戻って来るなり作戦の内容を確認し始めている最中・・・上空から急降下してきた巨大な女王クロバチが魔王たちの前に大きな音を立てて落ちて来ていた――――――――

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