327日目 デスミミック


 エンシェントマンモスの体から現れたのは腐敗臭を漂わせ・・・強い魔力を帯びた魔獣であるデスミミックというのが本当の正体で・・・・

デスミミックは死骸や遺骸を操り仲間だと思わせて近づき生きた獲物を貪る凶悪な指定駆除生物の1種という事からキルりんの説明でメルトも金になる話だと言う事からやる気をさらに出していると――――――――



「あと、このデスミミックは穴という穴から潜り込もうとしますので気を付けてくださいね!!!

寝込みを襲われただとかトイレ中に寄生されたとかいう話も聞きますので大口を開けてますと寄生されちゃいますよ!!」

「そう言うことは早く言いなさいよね!!!

で、このきっもちわるい生物に魔法って聞くのかしら??」

「こういうミミックとかいうモブは即死技とか闇魔法を使ってくるんだよなぁ・・・・ザラ○とかザラ○ーマとか・・・・

だが、あれだけひょろい足だったら魔王たちと一撃でへし折れるんじゃないのか??」

「私とミーノの攻撃だったら確かに一瞬だろうが。

あのデスミミックは名前の通り自身が死んだ場合仲間を呼び出すたちの悪い能力をしていてな。

魔界では生物兵器としても運用されるほどですぐに禁止されることになったのだが・・・・こんな国の近くでデスミミックとは面倒な事をしてくれたものだ。」

「うぅ・・・コレを倒すことは簡単だけど・・・後々の被害があると考えると隔離する方が得策・・・・だからワタシはガードに徹するよ。」

と、ミーノが言った途端にハルトへデスミミックの鋭い足の攻撃が繰り出されており。

その攻撃をミーノが受け止めて投げ飛ばすとデスミミックは大きな口をギチギチと腹を空かせているのか見せつけながら再びハルトに攻撃を仕掛けていた。



「うおぉっと!?何でコイツは俺ばっかりを狙ってきやがるんだよ!!!!

俺よりも脂がのって旨そうなのがそこにいるだろうが!!!」

「それはですね・・・デスミミックは生ける魂の波長の大きさにより狙いを付けると聞いたことがありますので。

ハルトの抜け殻のような体がエサと思ったのでしょうね。」

「そんな事よりもさっきハルトは私をエサにしようとしていなかったか!?

魔王のこの私をエサ役にするなどハルトじゃなければ粉々にしているところだぞ!!!」

「今は魔王の乳に脂肪があるとかないとかどうだっていいのよ。

あのエサ役のハルトが逃げ回ってるうちに討伐以外の方法で作戦を考えないといけないわね。

倒しちゃったら他のデスミミックとか来ちゃうんでしょ??」

「早く考えた方がいいかも・・・

ハルトがデスミミックに少しずつだけど距離を縮められてる。」

ミーノが指さす方ではハルトとデスミミックの追いかけっこが繰り広げられており。

ハルトの真後ろにいるデスミミックはハルトに対して足の爪で攻撃をしつつ追いかけ・・・ハルトもその攻撃を避けて逃げるのが精いっぱいでイマジンを使う余裕もない状態でキルりんたちは悩みに悩んだ挙句・・・メルトの氷魔法で完全凍結させて永眠させてはどうかという案になり。

冬場の間は放置しても大丈夫だと言う事から異議を唱えることなく納得しすぐさまその作戦が開始された。



「ゼェゼェゼェゼェ・・・・・あぁぁ・・・もうムリ・・・・走りつかれちまった・・・・あぁぁ・・・これが俺の最後か・・・あぁ・・・何にもできないまま俺の人生は幕を下ろすのか・・・さらば俺の青春・・・さらば俺の青き日々・・・」

「何を下らない事をぺちゃくちゃほざいてんのよ!!!

いいから魔王たちがそっちに向かったから走って逃げなさい!!!

エサならエサらしく最後まで走って逃げて見なさいよ!!!

それともエサ役をまともにできないままあの気色悪いデスミミックの腹の中に消えちゃう方がいいのかしらぁ???

まぁ?ハルトくらいの低レベルな使い魔ならそれでもいいかもしんないけど!!!

私のメンツがズタボロになるのは許せないから逃げなさい!!!絶対に食われるんじゃないわよ!!!」

「メルト、それはけなしているのですか?応援しているのですか??

どっちにしてもこの作戦が終わった後は間違いなくグリグリが待っていますね・・・

けれど私たちには関係ないので巻き込まないでいただきたいです!!!」

「そうだなッ!!!ミーノ!!!私1人じゃ押さえられないから手を貸してくれ!!!ぐあぁああぁぁぁ!!!!止まれぇぇぇぇぇぇ!!!!」

「了解だ!!!とまれぇぇええぇぇぇぇ!!!!!」

2人はハルトに食い掛ろうと飛び込んできていたデスミミックの足を掴んで止めに入り・・・地面を抉りながら力いっぱい踏ん張って止めると。

何とかハルトがかじられるかどうかというギリギリのすき間を作って止めることに成功すると。

魔王とミーノはデスミミックの足を逆方向に力いっぱい押し込むと。

デスミミックの足が聞きたくない音と共に逆方向に折れ悲痛な叫びをあげてハルトを喰らうと言う事も忘れてもがきのたうち回り・・・その間に魔王はハルトとミーノを抱えてその場を離れ。

何とか態勢を立て直したデスミミックはハルトやその近くにいた魔王たちを探したが影はなく・・・強い魔力を感じる方に視線を向けると――――――――



「気が付くのが遅かったわね!!!これがお前の最後に喰らうものよ!!!

さぁ永久に凍って眠りにつくと良いわ!!!

―――――――――――永遠の氷結晶!!!!」

「うおぉぉぉおぉぉぉ!?すごい冷気だ・・・・これが魔王たちが考えた作戦か??」

「あぁ、キルりんが考えた作戦だが。

メルトはハルトをエサの役割にするだけしておいて食べさせたスキに凍らせた方が成功率が上がるんじゃないかという案を却下してこうなったんだ。」

「ふぅ・・・何とか息の根を止めずに氷漬けにできてよかったよかった。

これでミーノの嫌な気配というものの排除はクリアということで大丈夫ですかね??」

「うん、この邪悪なミミックが氷漬けになってから毛に伝わる嫌な気配が無くなったから大丈夫だよ。

ハルトにみんな・・・助けてくれてありがとう。」

ミーノはデスミミックの氷像からハルトたちの方へ向いて感謝の言葉を述べると。

ハルトは言葉を受け取ってからメルトの作戦の内容と暴言混じりの応援の件について怒りが爆発し・・・それはグリグリという形で消化され。

先ほどまでの緊張感のある死闘が嘘かのような空気のまま泣いたメルトと共に街へと戻って行くのであった――――――――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る