325日目 力の使いどころ


 魔王はクリシュナから勝負の方法を聞き・・・面白そうだと言って負けられない気持ちと魔王としての威厳を保つためにと勝負を受けたいとハルトに問うと。

ハルトは勝手に盛り上がって勝手に話を進められては困ると言って魔王とクリシュナに勝負の方法を問うと――――――――――



「ルールは簡単さね、私と魔王がハルトと交互にこれから運ばれてくる料理を一緒に食べてどっちと一緒に食べていた方が楽しかったのかハルトに採点してもらうだけだよ。

それがシンプルかつ公正な勝負になると思ってね。

で、ハルトはどこかに不安や悪い点があれば言ってみてくれ。」

「そうだな・・・どうしてそこで俺なんだ??

別に俺が絡む必要もないだろ?それとも・・・何か俺にクスリでも盛って軟禁するとかそう言うのじゃないだろうな??」

「私たちの清く正しく美しい戦いにそんな愚かな行為が混ぜられているわけないだろ?

そうだろ?クリシュナよ。

――――――――ん?クリシュナ??どうして店員と話し合いをしておるのだ??」

クリシュナは何事もなかったかのように手を叩いて勝負の準備は整ったと語り。

まずは先攻後攻を決め・・・魔王とハルトが先に行うこととなり数分待つと。

そこへ料理が運ばれ勝負が始まった―――――――――



「俺は別に何もすることなく食べてたらいいんだろ??

それじゃ遠慮なく・・・・ん!!んまッ!!」

「そ、そうなのだが・・・料理が無くなるまでの間らしいからその・・・ゆっくりでもいいのだぞ??

―――――――――――あむあむ・・・これは美味だな!!」

「フフフ・・・美味しい料理に飛びつくように食べるとは・・・2人もまだまだだね。

そのまま綺麗に平らげてこの神であるクリシュナ様にバトンタッチをするといいぞ。

そして・・・私の長く生きてきた技でハルトを我が物に・・・」

「クリシュナ様、その・・・よだれが・・・」

店員に言われて口を拭ったクリシュナは早く食べ終わらないかとそわそわし始めた丁度にハルトたちの料理が終わり・・・ハルトはクリシュナの方へやって来た。



「さっきの話から察すると・・・クリシュナは何か企んでたろ??」

「ん?なんのことだかサッパリだね。

そんな事よりもだ・・・魔王との食事はどうだった??楽しかったかい??

そうでもなかったと言う顔をしているが・・・私はハルトを最高に盛り上げようと思っているから楽しみにしてくれていい。

―――――――――それじゃ料理を持ってきてくれ。」

「あぁ・・・全然いい雰囲気にもならず互いにウマイというだけの食事になってしまった・・・・このままでは負けてしまう・・・・はッ!?クリシュナめ・・・ハルトに触れるのは禁止ではなかったのか!?」

魔王は隣の席で食べている2人の様子を見ると、クリシュナはハルトの頬に触れながら料理を口へ運び入れて食べさせており。

魔王が文句を言おうとしたが店員に遮られてしまい・・・見ている事しかできずにいるとクリシュナの行動は少しずつエスカレートし・・・・



「私としたことが・・・谷間に料理が逃げてしまった・・・

ハルト、悪いが探してくれまいか??」

「はぁッ!?そんなの自分で探せばいいだろ!!!

それにそんなドレスに直接手を突っ込むとか魔王が見たら腕を切り落とされちまう・・・・うわッ!?だから力で無理矢理するのは駄目なんじゃないのか!?」

ハルトはクリシュナの力によって体を強制的に動かされ、クリシュナの転がした料理を探して胸に触れそうで触れない部分で魔王が割って入り中断となった。



「あぁ~あ、惜しかった惜しかった。

あと少しだったんだけどなぁ・・・今回は力を使ったから私のターンは終わりでいいよ。

ほら、次の戦いは魔王たちの番だからいったいった。」

「くぅ・・・・私が近づけない事をいいことに好き放題しおってからに!!!

ほらハルト行くぞ!!!いつまで顔を赤くしているつもりだ!?

私たちの番なのだシャキッとしてくれシャキッとな!!」

「お、おう・・・って、俺は触っても触れてもないし触りに行こうとも思ってないからな!!!

く、クリシュナも俺を惑わすような行為は止めてくれ!!!いいか絶対だぞ!!」

ハルトの必死な忠告をクリシュナはニヤニヤしながら答え、魔王たちのグループは最後のデザートになっており・・・ここで点数を稼いでおかないといけないと感じた魔王はハルトに「あーん」を震えながらすると。

ハルトは拒否をすればまた魔王が大暴走すると感じ・・・仕方ないとひと口だけもらいあとは自分で大丈夫だと断ると魔王は一口だけでも食べてくれたことに喜び互いにデザートを食べ切るとクリシュナは指を鳴らし強制的にハルトを自分の席の隣へ移動させていた。



「さぁコレが最後の戦いなんだ。

ハルトもこのまま満足せずに終わると言う事は嫌だろ??

それは私も同じことだ・・・だったらこれから朝まで楽しく過ごさないかい??

―――――――――――神の私と朝まで・・・」

「ちょ、ちょっと待て!!!いつからそんな大人な話になりやがったんだ!?

今は勝負中でメシを食べて評価するだけって言っただろ!!!

つべこべ言わずにクリシュナもデザートを食ってくれよ。

それに・・・メルトとキルりんを酒場に置いて来てるしさややこしい事になる前に撤退したいんだ。

だから悪いな・・・朝まで酒を飲むのもいいかもしれないが俺には手のかかる仲間がいるからな。」

冷製にクリシュナの誘惑を断ち切ったハルトは・・・デザートを食べ切り最後の勝負の結果発表時にクリシュナはこの戦いは色々と計算外な事と不備が多々あったため中止にすると言って強制的に終わらせ――――――――

クリシュナはハルトの元へやって来ると最後の最後にハルトの手を握り・・・気が向いたら2人っきりで楽しくお酒を飲みながら食事でもどうかと誘い出し。

ハルトはこういうド派手な戦いが絡んだ者でなければと返事をするとクリシュナは会計を全て自分が支払うと言って2人をメルトとキルりんの元へ行くように伝え。

魔王たちは何が何やらという顔をして共にメルトとキルりんを迎えに行くのであった。

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