異世界からの召喚は計画的に！サモンプランニング〜異世界に召喚されたのはオレかよ！？〜

273日目 標的の基準

　あれからハルトたちは次々と現れるグールを倒しては移動し・・・倒しては移動しを繰り返してキルりんたちと別れた付近に戻って来ると。

キルりんとメルトは2人仲良くグールと戦っていた。

「あんぎゃぁぁぁぁぁ！！！！こっちに来るんじゃないわよぉ！！！

もう！！！魔王たちは一体どこに行っちゃったのよおぉぉぉ～～～」

「め、メルト！！！こんな時に泣きださないでください！！！

周りには多勢に無勢のグール軍団なんですよ！！！

少しでも気を抜けば私たちも簡単にあっち側になっちゃいますよ！！！！

ですから早く立ち上がって加勢してくだ・・・・さ・・・ん？？

あれ・・・・どうしたのでしょうか・・・・私を素通りしているように思えるのですが・・・・何か攻撃を仕掛けるターゲットがあったりするのでしょうか？？」

キルりんの近くに現れたグールはキルりんを無視してメルトを追いかけだしており。

どういう仕組みで人を襲うのかと調べていると・・・・・

「やっとキルりんとメルトがいたと思えば・・・すごい量のグールに追われているな。

それとは違ってキルりんはどうして襲われていないんだ？？

何か変なアイテムで気配を遮断しているのか？？」

「私の自慢のアイテムたちを変なアイテム呼ばわりしないでいただきたいです。

それに今回の件に関しまして私は一切アイテムの使用はしてないです。

だから私も気になってメルトを使って調べているのですが・・・・

何を目標としてグールが行動をしているのか一向にわからないまま・・・ん？？急にメルトを追いかけていたグールたちが魔王たちの方に移動していきましたね・・・・」

「また大量のグール・・・・本当にいつになれば全滅するのか・・・・

でも私のこの斧で全部粉々にしてやる！！

―――――――――そーれい！！！！」

「うわッあぶね！？

おいミノタウロス！！！もう少し危害が出ないように投げられないのか！！！

にしてもメルトから離れてこっちに向かって来てるが・・・・

マジで何がトリガーになってやがんだ・・・ん？？キルりん・・・メルト・・・魔王に・・・ミノタウロス・・・・

まさかな・・・・いや、そのまさかか・・・・

なぁキルりんは少しの間耳を塞いでいてくれないか？？後で必ず説明するからさ？」

「あっぶないところだったわ・・・・あと少しで私もグールの仲間入りをするところだったじゃないのよ・・・・だけど最強の魔術師のメルト様にチャンス到来ッ！！！

私に背後を見せたアンタたちに勝ち目はないわよ！！！

さぁ喰らいなさい！！！偉大なる魔術師の怒りの魔法をッ！！！！

―――――――――――――バーストフラッシュテンペスト！！！！

メルトはハルトの答えが出かかった瞬間に強烈な火炎魔法をぶっ放し。

辺り一面を火の海に変えながらグールたちを全て焼却し・・・その中でメルトはゲラゲラとしてやったりとした表情で笑みを浮かべていた。

「イツツツ・・・おい・・・ミノタウロス・・・ん？？なんだこれ妙にフカフカ・・・・ってミノタウロス！？」

「ん～～爆風で吹き飛んだハルトをキャッチしたのはいいんだけど・・・・

着地の事を考えてなくてワタシがクッションになったんだヨ。

ハルト・・・ダイジョウブ？？」

「あぁ～～ハルトは大丈夫だとも！！！

そのミノタウロスの豊満な乳に助けられたな！！！フンッ！！！」

「またハルトは事故を装ったセクハラですか？？

いつもいつも懲りもせずよくやりますねぇ～～～

それとあのバカな笑い方をするメルトを止めてもらえませんか？？

それにさっきのぶっぱで山火事になっているんですが・・・・」

キルりんは呆れながら魔王に問い、メルトはこのまま森が全て焼けるまで何もしないだろうと察し・・・魔王は水魔法で木々に燃え移った火を消してからメルトと接触した。

「さっきの魔法は大したものだったが・・・私たちを諸共燃やそうとしただろ？

いや、今はそんな事よりも辺りにいる冒険家やハンターたちはどうなったんだ？

キルりんの方もハイネ司祭には伝わったのか？？」

「それがですね・・・私が向かった時にはテントはもぬけの殻で。

ベッドの上には血の跡がありました。

匂いとべた付きからまだできたばかりの血で人間のモノでした。

嫌な予想をすればハイネかジャージーのプリーストが餌食になってしまった可能性があります。」

「もうそんな所まで・・・・私の方は声が届く範囲を適当に移動しつつ通達したから多分身の危険を感じたハンターたちは街に戻る鳴りグールをハントするなり行動を開始したはずよ。

でも妙よね・・・さっきまでキルりんが狙われていたのにいつの間にか私で・・・・最終的には魔王たちの方向にグールたち向かっていたけど。

本当に何がどうなってんのよこのグール共は・・・・」

「その件なんだが・・・この際だキルりんもいるが俺の仮説を聞いてくれ。

あとキルりんは怒らずに聞いてくれよ？？

今回の騒ぎになっているグールに襲われる対象だが・・・・

《《胸の大きさ》順に狙われていると考えている。

何故ならキルりんが襲われてからメルトが現れてかからの流れと魔王や俺たちがやってきてから魔王たちに興味を示したことにも頷ける。

つまり・・・逆の発想からグール殲滅戦において俺やキルりんが攻撃されにくいと言う事だな。

―――――――――この説に何か疑問は？？」

「もっちろんありますよ！！！

第一に呪いの類で増えてるグールたちに攻撃対象を刷り込むにしてどうして乳なんですか！？

それも大きい順に狙うとはけしからんですよ！！！

それに話によるとハルトもグールに襲われたと言っておりましたが・・・それはどう説明するのですか？？」

「その件だが、きっと通常の社会でも胸の小さな者を愛でる連中の意をグールになっても引き継いでしまったという事が言える。

グールは屍のベースをそのまま能力として得ることが知られてるからな。

だから性格や好きなタイプまでもがグールにトレースされるからハルトを狙ったのだろう。」

「何だかよくわからないけど・・・ぞくぞくとグールが集まって来てるゾ！！」

「いつの間に！？もう一回魔法で一気にやっつけちゃうって言うのはどうかしら？？

魔王たちが時間を稼いでくれるのならやり用は・・・・・ん？ダメ？？」

魔王たちは二度目の山火事を起こさせないようここは魔法に頼らずに肉弾戦のみでやり切ると言って飛び出すと。

グールたちは魔王とミノタウロスの二手に分かれていた―――――――――