三 担任・木原の証言
おっ、瀬原が来るのは珍しいな。どうしたんだ? 何か授業で分からないことがあったのか? え、ない? まぁ、瀬原は英語の成績いつもいいしな。心配することないか。じゃあどうしたんだ? もしかして、何か悩みごとか? だったら先生がたくさん相談のってやるからな! ……あ、違う? じゃあどうしたんだ? 聞きたいこと? 最近誰かに告白されたかって? いきなりどうしたんだよ。んー、まぁ、あったっちゃあったけど……。え、生徒から? いやいや、そんなことないからな。……ほら、一週間前、みんなに言っただろ? 結婚のこと。あれさ、彼女の方から持ち出した話でな。そのことだよ。紅白って。まさか、こんなおっさんなんかに生徒が告白する訳ないだろ。え? 態度が怪しいって? まさか、勘ぐりすぎだって。ん? 今度は三原の話か? そうだなぁ、別にあいつ、特に変わった様子ないと思ってたが……何かあったのか? その……誰かにいじめられてるとか。え、ない? そっか、ならいいんだが……もし様子がおかしいと思ったら、すぐ先生に教えてくれよな。……ああ、そういやな、結婚のこと、三原が祝ってくれたんだけどな、そのときあいつこう言ってたんだよなぁ。「結婚できるって、羨ましいな」ってさ。あいつも、女子高生らしく恋に悩んでるのかなぁって……。あ、このことは内緒な。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます