【設定資料】 僕は異世界で使い魔を召喚する ~とある高校生の異世界見聞録~
久我島謙治
設定資料集1 ―刻印・魔術―
設定資料集1 ―刻印・魔術―
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■刻印
◆刻印について
刻印は人体に刻むことで、魔法などが使えるようになる秘術だ。
刻印には、大きく分けて【大刻印】と【魔術刻印】がある。
◆大刻印
【大刻印】は、普通の人間――他の生物にも有効――を魔法生物とでもいうべき存在へ変貌させてしまう刻印だ。
【大刻印】を刻まれた人間は、白い光に包まれて肉体が消失し、刻印体と呼ばれる元の体とよく似たアバターのような新しい身体を得る。
刻印を刻まれた新たな身体は、普通の人間とは様々な点で異なっている。
身体能力が高く、後述する【魔術刻印】を刻むことで魔術を行使できるようにもなる。
【戦闘モード】を起動することで意識を加速させたり、『アイテムストレージ』の機能でアイテムを管理したり、装備に関する操作を行ったり、現在時刻を確認することもできるようになる。
【大刻印】にも種類があり、【エルフの刻印】や【冒険者の刻印】がある。
また、【大刻印】は何故か【刻印付与】の【魔術刻印】が使える女性にしか刻むことができない。
◆エルフの刻印
【エルフの刻印】は、エルフ族が代々伝える【大刻印】の一つだ。
特徴としては、【エルフの刻印】を刻まれた者は、精霊系魔術が使えることが多い。
また、体力――HP――がゼロになったときに蘇生魔術が自動的に発動する。
この蘇生魔術は、日に一度しか使えない。つまり、蘇生魔術の発動から約24時間経過すると再度、自動発動の蘇生魔術が使えるようになる。
◆冒険者の刻印
【冒険者の刻印】は、『組合』を作った初代組合長が【魔術作成】で作ったと思われる【大刻印】だ。
この【大刻印】を刻まれた人間で魔術の素養のある者は、回復系魔術が半数以上となる。おそらく、『神力』という能力――ステータス――にボーナスがあるのではないだろうか。
また、体力――HP――がゼロになったときには、半透明の仮死状態となる。この状態では、攻撃を受けてもダメージを受けない。というよりも幻影のような状態で本体は異空間にあるのではないかと思われる。
この状態のときに回復系魔術の蘇生魔術――【リザレクション】――を掛けると復活する。【エルフの刻印】の蘇生と違って、外部からの蘇生魔術により日に何度でも蘇ることができる。だが、仮死状態からの蘇生猶予時間は約10分程度だ。
◆魔術刻印
【魔術刻印】は、【大刻印】を刻まれたアバターのような身体に刻むことで対応する魔術が使えるようになる刻印だ。
【大刻印】のプラグイン機能のようなものと考えてもいいだろう。
しかし、【魔術刻印】を刻んだからといって、その魔術が使えるとは限らない。
高度な魔術を発動するためには、術者の素質やレベルが高くないといけないのだ。
◆通貨
【大刻印】には、通貨の管理機能がある。『アイテムストレージ』内では『魔法通貨』と呼ばれる電子通貨のような扱いになっており、『トレード』で他者と取引することが可能だ。
また、『魔法通貨』は、モンスターを倒すことで得ることができる。
『魔法通貨』を実体化させることもでき、刻印を持たない普通の人間は、実体化された通貨を使っている。
実体化したお金には、『銅貨』・『銀貨』・『金貨』の三種類が存在する。大きさは、三種類ともほぼ同じサイズで、日本の硬貨と比べると五百円玉より一回り小さい大きさの硬貨だ。デザインは、ゲームセンターのメダルゲームで使用するメダルのような印象で女神らしき女性が両面に描かれている。金貨を手にとってみると、重さは五百円玉とそんなに変わらない印象だ。このサイズで全部が金で出来ているならもっと重いはずなので、試しに実体化した金貨と銅貨を切って中を確認してみたところ、メッキの材質が違うだけのようだ。
実体化した硬貨を『アイテムストレージ』内の魔法通貨に戻すことはできない。
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■魔術
◆魔術について
魔術とは、【大刻印】を持つ者が【魔術刻印】を刻むことで使えるようになる魔法のことだ。
魔術には、大きく分けて【基本魔法】・【魔力系魔術】・【精霊系魔術】・【回復系魔術】の4種類がある。
【魔力系魔術】と【回復系魔術】は相性が悪いようで、一般的には【魔力系魔術】と【回復系魔術】の両方を使える術者は存在しない。
【精霊系魔術】は、どちらの系統とも相性が良く、【精霊系魔術】と【魔力系魔術】や【精霊系魔術】と【回復系魔術】といった2系統を使える術者が稀に存在する。
おそらく、「【魔力系魔術】←【精霊系魔術】→【回復系魔術】」のようなグラフがあり、どのポイントに素質があるかということなのだろう。
◆基本魔法
【基本魔法】は、系統魔術の素養の無いものでも使える魔法のことだ。
魔力を消費しないため、魔法というよりもスキルと言ったほうがイメージが近い。魔力の代わりに魔法通貨を消費してアイテム等を作成する【基本魔法】もある。つまり、魔法通貨は、プールされた魔力とも言えるだろう。
【基本魔法】には、【武器】・【体術】・【射撃】・【商取引】・【工房】・【調剤】・【料理】などがある。
◆知識魔法
【知識魔法】とは、【基本魔法】のうち【武器】や【体術】のように刻むと知識を得ることができる種類の魔法のことだ。勉強したり、練習したりといった努力を不要にするスキルだ。
◆根源魔術
【根源魔術】とは、誰が作ったか定かではなく、改変等が不可能な魔術のことだ。
刻印を刻むための【刻印付与】や【基本魔法】の一部がそれにあたる。
◆魔力系魔術
【魔力系魔術】は、『魔力』という能力――ステータス――が高いと使える魔術だ。
敵を眠らせる【スリープ】や術者を飛行させる【フライ】、姿を隠す【インビジブル】など補助的な魔法が多い。
【魔力系魔術】は、【魔術刻印】の上に金属や革の防具が装備されていると発動しない。例外として、自身に向けて使用する自己強化型魔術は装備に関係なく発動することが可能だ。
【冒険者の刻印】の性質上、この系統の魔術を使える冒険者は少ない。
◆精霊系魔術
【精霊系魔術】は、『精霊力』という能力――ステータス――が高いと使える魔術だ。
主に火・水・風・土という四大属性に関係する魔術と自分自身を強化する魔術がある。攻撃魔法は、【魔力系魔術】よりもずっと豊富で、自身を強化する魔術も多いので戦闘向きの系統だろう。
【精霊系魔術】は、【魔術刻印】の上に金属の防具が装備されていると発動しない。例外として、自身に向けて使用する自己強化型魔術は装備に関係なく発動することが可能だ。
【エルフの刻印】の性質上、エルフは、全員がこの系統の魔術を使える。
◆回復系魔術
【回復系魔術】は、『神力』という能力――ステータス――が高いと使える魔術だ。回復魔法と補助魔法に特化しており、純粋な攻撃魔法は存在しない。
しかし、【魔力系魔術】や【精霊系魔術】と違い、他人を強化する魔法が使えるため、パーティプレイに適した系統と言える。実際、冒険者のパーティメンバーには、最低でも一人は【回復系魔術】の術者が存在するようだ。
また、体力――HP――がゼロになり戦闘不能となった冒険者を復活させることができるのは、【回復系魔術】の術者だけだ。そのため、【回復系魔術】の術者は、パーティの要となる存在なのだ。
【回復系魔術】の【魔術刻印】は、刻印の上に金属が装備されていても発動するため重装備でも問題がない。
【冒険者の刻印】の性質上、この系統の魔術を使える冒険者が多い。
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■『組合』の刻印価格
◆大刻印
・冒険者の刻印・・・・・・・・・100000ゴールド
◆基本魔法
・武器・・・・・・・・・・・・・10000ゴールド
・体術・・・・・・・・・・・・・10000ゴールド
・射撃・・・・・・・・・・・・・10000ゴールド
・商取引・・・・・・・・・・・・50000ゴールド
・工房・・・・・・・・・・・・・50000ゴールド
・調剤・・・・・・・・・・・・・30000ゴールド
・料理・・・・・・・・・・・・・30000ゴールド
◆魔力系魔術
レベル1
・マジックアロー・・・・・・・・1000ゴールド
・ナイトサイト・・・・・・・・・1000ゴールド
レベル2
・スリープ・・・・・・・・・・・5000ゴールド
・トゥルーサイト・・・・・・・・5000ゴールド
レベル3
・シールド・・・・・・・・・・・10000ゴールド
・レビテート・・・・・・・・・・10000ゴールド
・フェザーフォール・・・・・・・10000ゴールド
・テレスコープ・・・・・・・・・10000ゴールド
レベル4
・ダメージシールド・・・・・・・15000ゴールド
・フライ・・・・・・・・・・・・15000ゴールド
・インビジブル・・・・・・・・・15000ゴールド
・レーダー・・・・・・・・・・・15000ゴールド
レベル5
・マジックシールド・・・・・・・20000ゴールド
・エクスプロージョン・・・・・・20000ゴールド
◆精霊系魔術
レベル1
・フレイムアロー・・・・・・・・1000ゴールド
・アイスバレット・・・・・・・・1000ゴールド
・エアカッター・・・・・・・・・1000ゴールド
・ストーンバレット・・・・・・・1000ゴールド
・ウィル・オー・ウィスプ・・・・1000ゴールド
レベル2
・ストレングス・・・・・・・・・5000ゴールド
・アジリティ・・・・・・・・・・5000ゴールド
・ウインドブーツ・・・・・・・・5000ゴールド
・リジェネレーション・・・・・・5000ゴールド
レベル3
・ファイアボール・・・・・・・・10000ゴールド
・ライトニング・・・・・・・・・10000ゴールド
・ウインドバリア・・・・・・・・10000ゴールド
・エアプロテクション・・・・・・10000ゴールド
レベル4
・フレイムウォール・・・・・・・15000ゴールド
・ストーンウォール・・・・・・・15000ゴールド
・エレメンタルヒール・・・・・・15000ゴールド
レベル5
・ファイアストーム・・・・・・・20000ゴールド
・ブリザード・・・・・・・・・・20000ゴールド
◆回復系魔術
レベル1
・ヒール・・・・・・・・・・・・1000ゴールド
・ライト・・・・・・・・・・・・1000ゴールド
・フラッシュ・・・・・・・・・・1000ゴールド
レベル2
・ダメージスキン・・・・・・・・5000ゴールド
・ホーリーウェポン・・・・・・・5000ゴールド
レベル3
・ミディアムヒール・・・・・・・10000ゴールド
・リザレクション・・・・・・・・10000ゴールド
レベル4
・リアクティブヒール・・・・・・15000ゴールド
・グレーターダメージスキン・・・15000ゴールド
レベル5
・グレーターヒール・・・・・・・20000ゴールド
・エリアヒール・・・・・・・・・20000ゴールド
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■『組合』で取り扱っている【魔術刻印】
◆基本魔法
・武器/体術 ― 【武器】と【体術】は、【知識魔法】とも呼ばれるもので、これらの刻印を持っていると武器の使い方や無手による戦い方が習ってもいないのに分かるようになる。
・射撃 ― 【射撃】は、補助スキルのようなもので、この刻印を持っていると弓や投擲武器で敵を攻撃するときにアシストしてくれる。
・商取引 ― 【商取引】は、アイテムや装備を購入したり販売したりすることができるスキルだ。
【商取引】で購入したアイテムや装備は、僕が『アイテムストレージ』と勝手に呼んでいる【大刻印】の機能にデータのような状態で保存される。『アイテムストレージ』から取り出して実体化したアイテムは、マジックアイテムでもない限り、『アイテムストレージ』へ戻すことができなくなる。
また、【商取引】で購入できる食材や日用品などは、街で売られているものよりも高い。商人向けのスキルだが、全ての商人がこの刻印を持っているわけではない。
・工房 ― 【工房】は、魔法通貨を消費してアイテムや装備を作り出すことができるスキルだ。
術者のイメージで外観などを決定し、必要な素材を指定することで作成することができる。マジックアイテムだけではなく、普通のアイテムも作成することが可能だ。
・調剤 ― 【調剤】は、魔法通貨を消費してポーションを作ったり調合したりすることができるスキルだ。
・料理 ― 【料理】は、イメージで作成した料理を魔法通貨を消費して具現化することができるスキルだ。
普通の食材で調理するよりも割高となるが、手間は掛からない。
◇ ◇ ◇
◆魔力系レベル1
・マジックアロー ― 【マジックアロー】は、その名の通り、細長い魔力の矢を直線的に飛ばす攻撃スペルで、標的を追尾したりはしないので、乱戦で使用すると味方に当たったりするから注意が必要だ。
【魔術刻印】から直接【マジックアロー】が飛び出すわけではないので、刻印の位置は背中でも問題はない。 勿論、魔力系の魔術なので、刻印を刻んだ肌の上に金属製や革製の装備を身に着けていると魔術が発動しない。
発動時の手順は、術者の前方1メートルくらいの位置から照準した敵までの射撃線が見えるので、ルート上に味方や障害物が無いか確認した後に『発動』でも『発射』でも『ファイア』でも『ファイエル』でも好きなように念じれば、魔法の矢が飛んでいく。【射撃】のスキルを使ったときと細部は違うが似たような感覚だ。
・ナイトサイト ― 【ナイトサイト】は、暗闇でも周囲が見えるようになる自己強化型の魔術で、この魔術を発動中には、真っ暗闇でも曇りの日くらいの明るさで周囲が見えるようになる。ただ、自己強化型とあるように【魔術刻印】を発動した術者自身にしか効果がないので、パーティプレイには不向きだ。
◆魔力系レベル2
・スリープ ― 【スリープ】は、対象を眠らせる魔法で効果時間は最大で約十分というところだ。最大でというのは、対象が術者よりも強い場合には効きづらく、眠らせるのに成功してもすぐに目覚めてしまう。対象は、寝ているだけなので、強く揺すられたり叩かれたりしたら起きてしまう。
・トゥルーサイト ― 【トゥルーサイト】は、【ナイトサイト】と同系統の自己強化型の魔術で幻術を見破る効果がある。ゲーム的な視点で言えば、透明化を見破る『シー・インビジ』として使うことが多い魔術だ。つまり、透明化の魔法は幻術で光学迷彩のような効果を作り出しているということになる。ただ、この魔術を使って透明化を見破っても対象が透明化しているのかどうか分からないという欠点がある。この魔術を使っていない人には対象が見えないが、使っている人には普通に見えてしまうのだ。しかし、オン/オフすることで確認することは可能だ。ちなみに自己強化型の魔術は、術を発動している間、常に魔力――MP――が減っていくが、クールタイムが存在しないため、いつでもオン/オフすることが可能だ。
◆魔力系レベル3
・シールド ― 【シールド】は、不可視の盾を術者の周囲に張る自己強化型の魔力系魔術で物理攻撃に対してのみ作用する。低威力の攻撃であれば、完全に遮断することができるが、それを超える威力の攻撃は貫通する。とはいえ、強力な攻撃も少しは威力を低減してくれるので、格上との戦いでもそれなりに有効だ。
・レビテート ― 【レビテート】は、術者の靴の裏付近に浮遊する透明な床を作り出す自己強化型の魔力系魔術で、浮遊する高さを術者が変更できる。しかし、地面から約30メートル程度までの高度が限界となる。自己強化型魔術のため、術者にのみに作用し、空中でオフにすると墜落する。しかし、駆け出しの冒険者でも30メートル程度の高さからなら落ちても死なないようだ。
・フェザーフォール ― 【フェザーフォール】も自己強化型の魔力系魔術で、落下中に発動すると、落下速度がダメージを受けない程度まで減速する。
・テレスコープ ― 【テレスコープ】は、【ナイトサイト】や【トゥルーサイト】と同類の自己強化型魔術で、視界を拡大することができる。遠くに見えるものが何かを確認することができるため、偵察向きの魔法と言えるだろう。
◆魔力系レベル4
・ダメージシールド ― 【ダメージシールド】は、この魔術を使った術者に対して直接物理攻撃してくる敵にダメージを与える不可視の盾を術者の周囲に展開する自己強化型魔術だ。【シールド】の魔術とは違い、ダメージの軽減効果はない。自己強化型魔術なので、術者にしか展開することができない。
・フライ ― 【フライ】は、自己強化型の飛行魔法だ。
この魔術をかけると重力から切り離されたような感覚になり、上下左右と念じた方向へ移動することが可能となる。ただし、自在に移動するためには、かなりの修練が必要となる。
移動速度は、最大で時速50キロメートル程度と思われる。
・インビジブル ― 【インビジブル】は、術者を透明化する自己強化型の魔力系魔術だ。
幻術により光学迷彩のような効果を作り出しているようだ。つまり、視覚以外の感覚で行動するモンスターには通用しないが、視覚に頼るモンスターや人間相手には絶大な効果を発揮する。ゲームでよくあるような、こちらから攻撃したり攻撃を受けたら術が解けるというようなこともなく、MPがある限り透明化し続けることができるので、武器で攻撃するアタッカーにも向いている。
ちなみにこの呪文は、刻印を持たない一般人にも効果がある。つまり、魔法による幻術は実際の空間に作用するということだ。
・レーダー ― 【レーダー】は、周囲に居る人間やモンスターを表示する自己強化型魔術で、この魔術を発動している状態では、視界に丸いレーダースコープのようなものが表示される。
ウインドウのサイズや場所は、例によって変更が可能で、自己強化型魔術のため必要に応じてオン/オフすることができる。レーダー上に表示された、赤い光点はモンスターで、青い光点は冒険者など刻印を持つ人間だ。普通の人間や一定以上の大きさを持つ野生動物は、緑色の光点で表示される。ネズミのような小動物は表示されないが、
◆魔力系レベル5
・マジックシールド ― 【マジックシールド】は、【シールド】の魔法防御版といった内容の自己強化型魔術だ。【シールド】と同様に弱い魔法攻撃は完全に遮断できるが、強い攻撃は突き抜けてダメージを受ける。完全に遮断できなかった魔法も多少ダメージを低減させる効果があるのも【シールド】と同じ特性だ。
当然のことながら、物理攻撃には全く作用しない。
・エクスプロージョン ― 【エクスプロージョン】は、広範囲の攻撃魔法だ。攻撃半径は約5メートルで攻撃範囲が球状のため、空中の敵群には使い勝手が良いものの、地表ではクレーターができてしまうため使いづらい。名前の通り、魔力が爆発する攻撃魔法だが攻撃範囲外には弱い爆風しか漏れて来ないので攻撃範囲に入っていなければ、味方のすぐ側で使っても問題はない。
◇ ◇ ◇
◆精霊系レベル1
・フレイムアロー/アイスバレット/エアカッター/ストーンバレット ― 【フレイムアロー】【アイスバレット】【エアカッター】【ストーンバレット】は、火・水・風・土の四属性をそれぞれ利用した攻撃スペルだ。ゲームでも定番の魔法と言えるだろう。
・ウィル・オー・ウィスプ ― 【ウィル・オー・ウィスプ】は、ウィル・オー・ウィスプという光の球のような精霊(?)を召還して暗闇を照らす魔術だ。回復系魔術にも【ライト】という光源を好きな場所に設置することができる魔法があるが、ウィル・オー・ウィスプは、浮遊していて、術者の意志で好きな場所に移動させることができる。しかし、敵にぶつけてもすり抜けてしまうために攻撃呪文として使うことはできない。効果時間は、だいたい二時間程度で効果時間を過ぎたら消滅する。ちなみに回復系魔術のライトは、色温度が低そうな黄色っぽい光を発するが、ウィル・オー・ウィスプは、色温度が高そうな青白い光を発する。
◆精霊系レベル2
・ストレングス/アジリティ ― 【ストレングス】と【アジリティ】は、自己強化型の魔術で術者の筋力や素早さを強化する。同じスペルでも使う術者により効果が違うようで、熟練の精霊系魔術師のほうが効果が高いようだ。魔術作成で強化した魔術を使えば、より強力な効果が得られるが、その分、MP消費が激しくなる。使用中は継続してMPが減っていく自己強化型魔術ため、あまり強力なスペルを作ってもマナコストが悪くなるだけだろう。これらのスペルも他人に掛けられないため、パーティプレイには不向きだが、精霊系魔術が使える戦士には重宝されているようだ。ちなみに自己強化型の魔術は、自分自身にかけるタイプの魔術なので、刻印の上に金属鎧を装備していても発動する。
・ウインドブーツ ― 【ウインドブーツ】は、移動速度を上げる自己強化型の魔術だ。とあるMMORPGで『SoW』という略称で親しまれている魔法と効果が似ているが、現実には実際に体を動かすため、慣れないと使うのが難しい。というのも、この魔法を発動すると、ほんの少し靴底が浮いて、ローラースケートやアイススケートのように靴底が空中を滑るのだ。停止したいときは、踵に重心をかけてつま先を浮かせればブレーキが効く。横滑りはしないため、旋回するときなどはあまり外へ流れない。速度が乗った状態を維持すれば、かなりの速度で移動することができるので、どこかへ向かって移動するときや敵から逃げるときには有効だが、戦闘中はオフにしておかないと戦いづらい。速度が乗った状態でオフにすると転倒して地面を転がるハメになる。
・リジェネレーション ― 【リジェネレーション】は、HPを徐々に回復する自己強化型の魔術だ。ゲームでは定番の魔法だが、この世界では自己強化型魔術のため自分自身にしか使えず、パーティメンバーには掛けられない。また、HPが減ると意識的にオンにしなくても勝手に発動する。MPが心許ないときなどは、術者の意志で強制的にオフにすることもできる。
◆精霊系レベル3
・ファイアボール ― 【ファイアボール】は、バスケットボールくらいの大きさの火の玉を標的にぶつける攻撃スペルだ。ゲームなどではメジャーなスペルで初級魔法に分類されているゲームと、中級魔法に分類されているゲームがあるが、この世界の【ファイアボール】は後者だ。着弾すると小さな爆発が起きるので小規模な範囲攻撃魔法でもある。
・ライトニング ― 【ライトニング】は、電撃が直線的に飛ぶ攻撃スペルだ。この魔法もゲームなどではメジャーなスペルで発動したときのイメージもだいたい同じだ。射程は5メートル程度でその直線上に居る敵全てにダメージを与えることができる。前に壁役が居るとフレンドリー・ファイアになるため使えないが、攻撃魔法の大半がそんな感じなのでこのスペルだけが使いづらいというわけではない。
・ウインドバリア ― 【ウインドバリア】は、術者の周囲に弓矢による攻撃などを逸らせる風の結界を展開する自己強化型の精霊系魔術だ。この魔法が作用する対象は、矢や投擲ナイフなどの物理的な攻撃のみだ。物理的な攻撃でも剣による攻撃などは遮断できない。しかし、槍などの刺突武器は多少影響を受けるようだ。
また、術者の能力を上回る攻撃に対しては、逸らし切れずに攻撃が当たる。おそらく、『精霊力』により攻撃を逸らすことができる力が変わるのだろう。
・エアプロテクション ― 【エアプロテクション】は、術者の周囲に空気の層を展開する自己強化型の精霊系魔術だ。『プロテクション』という名前から防御魔法のような印象を受けるが、そうではなくて水などから術者を守る魔術となっている。例えば、吹雪の中でこのスペルを発動すると術者の周りに展開された適温の空気の層が吹雪の冷たい風を遮断してくれるし、水の中に入った時もこのスペルを発動していれば、術者に水が触れることはない。刻印を施したアバターのような身体は、呼吸をしなくても問題がないため、水中で溺れることはないが、水の冷たさや濡れた服がまとわりつく不快な感触はあるので、このスペルを発動することで水中でも水に触れることなく快適に活動できる。
空気の流れを遮断してしまうので、術者の周囲の音や匂いも遮断される。
◆精霊系レベル4
・フレイムウォール/ストーンウォール ― 【フレイムウォール】と【ストーンウォール】は、その名の通り『炎の壁』と『石の壁』を作り出す魔術だ。壁のサイズは、幅が約5メートル、高さが約3メートルの長方形で厚みは10センチ程度だと思う。術者が任意の場所に設置することができるが、設置後1時間ほどで消滅する。【フレイムウォール】は、接触した対象に熱ダメージを与えるが、ダメージ覚悟で突き抜けてくる敵を完全に足止めすることはできない。【ストーンウォール】のほうは、敵を完全に足止めすることができるものの、壁を攻撃されるとダメージが蓄積していき、累積ダメージが限界を超えると消滅する。設置場所は、空間固定なので空中にも設置可能だが、壁を傾けて設置することはできず、常に垂直に立った長方形の壁として出現する。
・エレメンタルヒール ― 【エレメンタルヒール】は、術者のHPを回復させる自己強化型の精霊系魔術だ。このスペルは、【リジェネレーション】の強化版と言ってもよいだろう。発動させると【リジェネレーション】の数倍の速度でHPが回復していくが、その分MPの消費も激しい。時間当たりの回復量に関しては、【リジェネレーション】と同様に術者の能力次第なのとHPは割合でしか表示されないため、熟練の冒険者になるほどHPの回復速度が遅く感じるようになる。これは、HPの上限が高レベルになるほど増えていることを示唆している。また、このスペルを起動すると同系列の【リジェネレーション】はオフになる。
◆精霊系レベル5
・ファイアストーム/ブリザード ― 【ファイアストーム】と【ブリザード】は、精霊系の広範囲攻撃魔法だ。攻撃範囲は半径約5メートルと【エクスプロージョン】同じくらいだが、【エクスプロージョン】と違って、攻撃範囲が球形ではなく厚さ約1.5メートル程度の円盤状になっている。地表の敵に使うとクレーターができる【エクスプロージョン】よりもこれらのほうが使いやすい。
【ファイアストーム】と【ブリザード】の違いは、熱攻撃か冷却攻撃かの差だが、熱攻撃のほうが有効なモンスターが多いので、冒険者に【ブリザード】の使い手はあまり居ないらしい。このレベルになると、組合で刻印を刻むための料金もかなり高いので、両方の刻印を刻むのは財政的に厳しいようだ。
◇ ◇ ◇
◆回復系レベル1
・ヒール ― 【ヒール】は、対象の体力――HP――を回復する回復系の魔術で最大50メートルくらい離れた対象にも発動させることができる遠隔回復呪文だ。
対象は、刻印を持つ冒険者等だが、実はモンスターも回復させることができる。回復量は術者の力量に左右されるが、レベル1の初級呪文なのでで、消費MPが低い代わりに回復量も低い。後に駆け出しの冒険者達の戦闘を見て回復量を検証してみたところでは、同じ駆け出し冒険者の戦士のHPを10パーセントほど回復させることができるようだ。
この魔術は、刻印を持たない普通の人間や野生生物をターゲットにすることはできない。【エリアヒール】も効果範囲内の普通の人間を癒すことはできないので、回復呪文自体が刻印を持つアバターのような存在にしか作用しないのだ。
・ライト ― 【ライト】は、任意の場所に光源を設置する魔法だ。
物体に設置する魔法なので、空中に浮かべることはできないが、天井を指定すれば、指定したポイントに貼り付き、電球のように部屋の中を照らすこともできる。通常は、ダンジョンのような暗い場所で明かりが欲しいときに使う補助スペルなので、パーティメンバーの戦士の頭上(兜の上)などに設置することが多いようだ。設置した物体が移動すれば、それに合わせて移動するため、タンクの頭に設置することで暗闇を照らすこともできるし、敵を引きつけることもできるので一石二鳥というわけだ。
効果時間は、【ウィル・オー・ウィスプ】と同様に約二時間といったところだ。
・フラッシュ ― 【フラッシュ】は、指向性の強い光を一瞬の間に発する目眩ましを行う幻惑魔法だ。攻撃力は無いものの、視力に頼った敵に使うことで、敵の行動を少し阻害することが可能となる。この魔法は、一般の人間にも効くが、失明させるほどの威力はない。指向性の光源なので、敵の方向へ向かって使用すれば、術者側には影響はない。ただ、鏡のようなものがあると、反射して影響を受ける可能性もある。普通の人間がこの攻撃を受けた場合は、視力の回復に数十秒かかると思われるが、刻印を持つ者は一瞬で視力が回復するため、嫌がらせレベルの攻撃とも言える。しかし、近接戦闘を行っている最中に例え一瞬とはいえ目眩ましを受けるのが危険だということは想像に難くない。
◆回復系レベル2
・ダメージスキン ― 【ダメージスキン】は、対象の周囲に一定量のダメージを肩代わりする不可視の盾を展開する防御魔法だ。対象は、【ヒール】と同様に刻印を持つ者で、実はモンスターに使うこともできる。普通の人間や野生動物には使えない――ターゲットにすることもできない――。このシールドが肩代わりするダメージ量は、術者の力量によって異なるが、駆け出しの戦士系冒険者のHP二割程度、つまり【ヒール】の約二回分に相当するようだ。
・ホーリーウェポン ― 【ホーリーウェポン】は、対象が持つ武器の攻撃力を上げる補助魔法だ。
『ホーリー』と付いているが、聖属性なんてものはこの世界には存在しないようなので、ゲームなどでお馴染みの『エンチャンテッド・ウェポン』や『キーン・エッジ』といった魔法に相当する。効果時間は、だいたい一時間というところなので、一回の戦闘でかけ直すことはまずないだろう。
◆回復系レベル3
・ミディアムヒール ― 【ミディアムヒール】は、【ヒール】の上位魔法で、約三倍のMPを消費する――【ヒール】がレベル1魔法で【ミディアムヒール】がレベル3魔法――ため、回復量もだいたい三倍のようだ。しかし、このスペルが使える術者が居るパーティだと、パーティメンバーのレベルもそれなりに高くなっているため、HPの三割が回復することはないと思われる。
・リザレクション ― 【リザレクション】は、体力――HP――がゼロになり戦闘不能となった冒険者を復活させることができる蘇生魔術だ。この魔術で復活した冒険者の体力は、【ヒール】2回分程度回復している。
◆回復系レベル4
・リアクティブヒール ― 【リアクティブヒール】は、
・グレーターダメージスキン ― 【グレーターダメージスキン】は、【ダメージスキン】の上位魔法で、【ダメージスキン】の約二倍の効果を発揮する。
◆回復系レベル5
・グレーターヒール ― 【グレーターヒール】は、【ヒール】や【ミディアムヒール】の上位魔法で、【ヒール】に対して約五倍の効果がある。
・エリアヒール ― 【エリアヒール】は、術者の半径約5メートル以内に存在する刻印を持つ者全てに作用する回復魔法だ。敵味方の区別が無いため、戦闘中にはあまり使えない。また、効果範囲内に存在する対象の人数により回復量が変化する。魔力消費量からみて、【グレーターヒール】の回復量を対象の人数で割った程度の回復量だと思われる。刻印を持たない一般人や野生動物が効果範囲に居ても対象とはならないが、モンスターは回復してしまう。
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■フェリアの持っていた魔術
◆基本魔法
・装備 ― フェリアが作成した基本魔法で正式名称は【イクイップメント】。
【大刻印】の基本機能である『装備』のアシストスキルだ。例えば、予め『装備1』に登録しておいた装備セットを『装備1換装』などと念じれば一瞬で装備変更することができる。
◆魔力系魔術
・マジックミサイル ― 【マジックミサイル】は、フェリアのオリジナルスペルで【マジックアロー】を改造したスペルだ。
魔力消費量から魔力系レベル5の魔術に相当するようだ。威力が大幅に向上しているのと、ロックオンした敵へ誘導して当たるようになっている。敵を指定して魔術を発動すると、射撃スキルのような魔法の弾道が表示される。大抵は、山なりの曲射弾道だが、これは味方を避けて上から当たるようになっているからだ。
・グレート・シールド/グレート・ダメージシールド/グレート・マジックシールド/ハイ・エクスプロージョン ― 【グレート・シールド】【グレート・ダメージシールド】【グレート・マジックシールド】【ハイ・エクスプロージョン】もフェリアのオリジナルスペルで、それぞれ【シールド】【ダメージシールド】【マジックシールド】【エクスプロージョン】を強化したスペルだ。
◆精霊系魔術
・グレイブピット ― 【グレイブピット】は、フェリアが開発したオリジナルスペルで、魔力消費量から精霊系レベル4に相当するようだ。
地面に約2メートル四方の穴を掘る魔術で彼女は死体を埋めるために開発したようだ。術者が任意の範囲の地面を指定してこのスペルを発動すると、地中から土砂が四方に溢れ出す。その盛り土の中心に約2メートル四方の穴が出現する。深さも2メートルくらいなので穴の形状は立方体に近い。戦闘時にも有効で敵の足元に発動すれば、敵を穴に落とすことができる。
・ヴォーテックス ― 【ヴォーテックス】は、竜巻を発生させる精霊系の広範囲攻撃魔法だ。
直径約3メートル、高さ約10メートルほどの竜巻を作り出し、術者のイメージで移動させることができる。効果時間は一分程度で、攻撃範囲内の敵に弱いダメージを与えながら上空へ巻き上げることができるので、敵集団の足止めなどに有効なスペルだ。しかし、直接的なダメージは【ファイアストーム】や【ブリザード】に劣る。巻き上げられた敵は、墜落して落下ダメージを負うが、刻印を持つ者は落下によるダメージをあまり受けないため、トータルで見てもそれほど大きなダメージを与えられない。
この魔術は、エルフには伝承されているが、『組合』では販売されていない。
・ロックフォール ― 【ロックフォール】は、任意の場所に岩を落とす精霊系の範囲攻撃魔法だ。
発動時に指定する対象は、敵ではなく場所で、指定した空間に岩を出現させるイメージだ。しかし、あまり高い位置に出現させることはできない。最大でも地表からの高さが約5メートルというところだろう。出現した岩は、地面に着弾した直後に消滅する。岩の大きさは、直径約2メートルで少し歪だが概ね球形をしている。岩の重量は、10トンくらいあると思うので、こんなものを頭上に落とされたら、普通の人間はひとたまりもないだろう。攻撃範囲は狭いがダメージ量は随一の攻撃魔法だ。
この魔術は、エルフには伝承されているが、『組合』では販売されていない。
・グレート・ストレングス/グレート・アジリティ ― 【グレート・ストレングス】と【グレート・アジリティ】は、フェリアのオリジナルスペルで【ストレングス】と【アジリティ】の強化版スペルだ。魔力消費量から精霊系レベル5に相当する。
・メディテーション ― 【メディテーション】は、フェリアが開発したオリジナルスペルで【リジェネレーション】のMP版というべき自己強化型の精霊系魔術だ。
MPの回復速度を上げることができる。体力――HP――や魔力――MP――は、ゼロに近い状態でも丸一日くらいかけてゆっくりと回復していく。ポーションを飲めば、8時間くらいで満タンに回復するし、睡眠状態を併用すれば、その時間の半分くらいで回復する。【メディテーション】の回復量は、術者の能力に左右されるものの、
このスペルは、HPをMPに転用することでMPを回復しているらしいので、急速バージョンを作るとHPが急激に減ってしまうため危険だ。そのため、このスペルを発動している間は、HPの回復が阻害される。このスペルも【リジェネレーション】と同様に意識的にオンにしなくても自動発動するが、【リジェネレーション】と違って、HPが満タンで、尚かつMPが減っている状態でしか自動的にオンにはならない。勿論、HPが減った状態でも強制的に発動させることは可能だ。
【リジェネレーション】に比べ、刻印の構造が複雑なためレベルは高くなっている。
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■その他オリジナル魔術
◆基本魔法
・テレフォン ― 【テレフォン】は使い魔と通話することができる自己強化型魔術だ。
この魔術は、対象の左耳の耳元に起動中に発した言葉を届けるというもので、相手がこちらに向けて【テレフォン】を使わないと一方的な会話となってしまう。
【テレフォン】は、召喚魔法による
◆魔力系魔術
・ワイド・レーダー ― 【ワイド・レーダー】は、その名の通り、【レーダー】の広域バージョンだ。
100倍の魔力を消費して広い範囲の敵を探知することが可能だ。索敵範囲は、半径1キロメートルくらいだ。
・マニューバ ― 【マニューバ】は、【フライ】の機動力を10倍に改造した魔術だ。
・ハイ・マニューバ ― 【ハイ・マニューバ】は、【マニューバ】の機動力を更に10倍に改造した魔術だ。
つまり【フライ】の100倍の機動力だ。起動時に術者を保護するための【エアプロテクション】が同時起動する。
・エリア・スリープ ― 【エリア・スリープ】は、幅100メートル×奥行100メートル×高さ5メートルの空間に作用する睡眠魔法だ。効果時間も通常の【スリープ】より10倍長く作用する。
・ブラインド・フェイス ― 【ブラインド・フェイス】は、『魔布の隠密クローク+10』へ付与した自己強化型魔術だ。
この魔術を起動すると顔の前に黒い円盤が貼り付き術者の顔が見えなくなる。
・フォースウェーブ ― 【フォースウェーブ】は、見えない衝撃波により、術者の周囲を囲んだ敵が同心円状に吹き飛ぶ魔術だ。効果範囲は、半径5メートルで、術者の足下50センチメートルから3メートルの高さまでのドーナツ状のエリアに重力波で外へ吹き飛ばす。掛かる重力加速度は、約10Gだ。
・フラット・エクスプロージョン ― 【フラット・エクスプロージョン】は、『フラット・エクスプロージョンの指輪』へ付与した広範囲攻撃魔法だ。幅50メートル×奥行20メートル×高さ3メートルの空間に【エクスプロージョン】が炸裂する。
・キューボイド・エクスプロージョン ― 【キューボイド・エクスプロージョン】は、【エクスプロージョン】を改造した魔術で約10×10×3メートルの直方体の空間に作用する。【フラット・エクスプロージョン】は、『夢魔の館』を設置するために作成した魔術だが、【キューボイド・エクスプロージョン】は、『プリティ・キャット』を設置するときに使うために作成した魔術だ。
◆精霊系魔術
・ライター ― 【ライター】は、イメージした場所に火を灯す自己強化型の魔術で、魔法を起動している間、ずっとその場所に小さな火が灯り続ける。
・ウォーター ― 【ウォーター】は、イメージした場所に蛇口から水が出るように水を出す自己強化型の魔術で、魔法を起動している間、ずっとその場所から水が流れ出続ける。
水の勢いは、水道の蛇口を少し捻ったくらいで、あまり強くはない。コップに水を注ぐときに丁度良いくらいにイメージしてあるからだ。水の温度は、冷たくもなく、温くもない。摂氏20度くらいだろう。
・ブースト ― 【ブースト】は、【ストレングス】や【アジリティ】と同系統の魔法で、『筋力』や『敏捷性』の他、『耐久力』・『魔力』・『精霊力』・『神力』というステータスも上昇する。
【魔術作成】のスキルを発動して『新規作成』→『全ステータス上昇』と念じてできたレシピを、『改造』で調整してみたら、『筋力』・『敏捷性』・『耐久力』・『魔力』・『精霊力』・『神力』というものが上がるようになっていることが判明したのだ。おそらく、その6つが隠されたステータスなのだろう。上昇量は、【ブースト】で【グレート・ストレングス】や【グレート・アジリティ】と同等の上昇量となっている。
・ハイ・ブースト ― 【ハイ・ブースト】は、【ブースト】の2倍の効果がある自己強化型魔法だ。
・フィジカル・ブースト ― 【フィジカル・ブースト】は、『筋力』・『敏捷性』・『耐久力』・『精霊力』が【ハイ・ブースト】の2倍に上昇する自己強化型魔法だ。
「自動終了条件:魔力<10」の条件が付いている。
・マジカル・ブースト ― 【マジカル・ブースト】は、『魔力』・『精霊力』・『神力』が【ハイ・ブースト】の2倍に上昇する自己強化型魔法だ。
「自動終了条件:魔力<10」の条件が付いている。
・ハイ・メディテーション ― 【ハイ・メディテーション】は、【メディテーション】の『体力→魔力変換量』を100倍に改造した魔術だ。
「自動起動条件:体力>50 AND 魔力<50」「自動終了条件:体力<50 OR 魔力=100」「追加条件:この魔術は、術者により起動することができません」といった条件が付いている。
・グレート・エレメンタルヒール ― 【グレート・エレメンタルヒール】は、『回復の指輪』へ付与した魔術だ。
【エレメンタルヒール】の10倍の回復量を持つ魔法で、「自動起動条件:体力<70」「自動終了条件:体力=100」という発動条件が付けてある。
・ストーンフロア ― 【ストーンフロア】は、【ストーンウォール】の水平版のスペルで空中に【ストーンウォール】を水平にしたような足場を設置することができる。
形状は、約5メートルの正方形で耐久力と効果時間は【ストーンウォール】の2倍となっている。
・ヘル・フレイムウォール ― 【ヘル・フレイムウォール】は、【フレイムウォール】を改造した魔術だ。
100メートル×100メートル×2メートルという広い範囲におよそ5分間発動する。ダメージも非常に高い。
・グレート・ピット ― 【グレート・ピット】は、『グレート・ピットの指輪』へ付与した魔術だ。
【グレイブピット】をベースに50メートル×20メートルのエリアを深さ5メートルで掘ることができる。穴の底は、傾きの無い水平――レベル――の取れた、真っ平らな状態となる。
また、中央の48メートル×18メートル×5メートル分の土砂は自動清掃機能で除去される。
・ライトニング・ストーム ― 【ライトニング・ストーム】は、複数の【ライトニング】を同時に発動する面制圧用に開発した魔術だ。高さ3メートル、幅3メートルの空間に10×10の100発の【ライトニング】が同時に発動される。発動は、常に垂直に立てた3×3メートル平面上で術者の正面、右側面、左側面、背面の4方向のいずれかを選択して発動される。
◆回復系魔術
・グレート・リアクティブヒール ― 【グレート・リアクティブヒール】は、【リアクティブヒール】の強化版で10倍の効果がある。
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