背中の温度
乗せてよ、と言うなり、君が自転車の荷台に座る。口を尖らせ漕ぎ出す僕は、そう満更でもなくて。背中にしがみつく君の温度に、ベタにドキドキしたりもしてる。
「今日、家に行って良い?」
耳許で、君が言う。
「お兄さん、家にいるでしょ?」
背に触れる体温が上がった気がして、僕の鼓動はすっと冷めた。
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