なまくら

自動ドアのその先に

はりぼて受付にこやかで

不快な廊下は音響き

無機質椅子は無言で鎮座

素知らぬふりの人形たちが

今日も故障を尋ねて空ろ

盲目、聾啞者どれかになるか


笛吹き男のマッチポンプが

ねずみを増やして殺してく

ほら穴、行けるか行けないか

白服、黒服選んでる

ひとりに、ふたりに、さんにん、白箱

ステンドグラスに祈りを捧げ

扉を開けてもらおう喘いでる

ステンドグラスは見飽きたと

出ていく人は極わずか

連れられて行く人、極わずか


溜息一つ、私はついて

選べる祝福は呪いと一緒

停滞温度が心地よく

嘯く身体が性悪で

他人を見ては憎し悲しと嘘を泣き

割れない硝子を許してた


息をひそめて、顔しかめ

色彩硝子を見上げれば

綺麗な空だと知っている

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