そこのやみ

仄暗い場所から君を呼ぶ

名前だけをただ呼んで

姿を見せてと叫ぶんだ


ここは暗くて伽藍洞なはずなのに

どうして声は木霊せず

どうして一人でいるのだろう

寂しいけれど寂しくない


名前を呼んでいれば君が来てくれるような

そんな気がして

何度も何度も叫んでも

枯れぬ喉は、きっと君への想いの形


ほらほら

ぐにゃりぐにゃり

仄暗い伽藍洞に

呼べば呼ぶほど色んなものが

色んなものが闇になる


あと少し、あと少しな気がするんだ

だから呼ぶよ何度でも

君がくるまで仄暗いこの場所で

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