自由散文詩掌編『破壊』

朶骸なくす

あとのまつり

足元の、石を、前に、投げてみる

地面打つ音、風吹いて


足元の、石を、前に、投げてみる

音が聞こえて、歓声わけば高揚と


うしろから、石を、秘かに渡される

投げれば、凱旋、称賛、高らかに


足元の、石を、前に、投げてみる

あとどれだけあるかを確かめて


足元の砕けた、石を投げてみる

闇夜に消えて行方も知れず


足元の欠片を空に、投げてみる

音も響かず、震える手だけが現実と


足元の砂を握って投げてみた

無造散れば「わかった」と


拾い進まぬは我の業

背の崖迫るは、藁一握り

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