第3話 ヒロイン

アトラス大陸の首都「ヘラクレス」の宿屋で夜を過ごしたリュードは首都の中心にどっしりと建てられた闘技場の中へと入っていった。

武術大会は世界的にも有名で男女問わず人気のある競技で全世界で生中継で放送されるぐらいだ。


それぞれの選手が名を挙げるために死闘を繰り広げる中、ついにリュードの試合が近づいてきた。


一方そのころ、リュードの出身国であるアレクサンドル王国の端に位置する街「レムナス」

そこの住宅街の一角にある白い一軒家。2階の一室で静かにお腹をさすりながらソファーに座っている女性・・

1階のリビングからその女性を呼ぶ声。


「レイミー!リュード君が出てきたよー!」

「・・・!」


お腹をさすっていた女性は立ち上がりゆっくりと階段を下りてリビングへと入ってきた。


「お母さん・・」


母親の隣の椅子にゆっくりと座り、テレビをジッと見つめているとリュードが出てきた。


ワーーーー!!


ものすごい歓声の中、闘技場の控室からカクテル光線に照らされて入場してくる金色(こんじき)の髪を靡かせたリュード。


そんなリュードをテレビの画面越しに心配そうに見つめるレイミという女性。


そう、レイミこそがリュードの妻であり、産まれてくる子供のために実家で過ごしていたのだ。


名前 『レイミ・クロスラッシュ』(旧姓 レイミ・ファーセル・D・ヤード)

年齢 27

身長 162

体重 45

使用武器 弓

種族 惑星「アスガルド」


備考・・茶色の髪と瞳を持つ弓術と回復魔法の使い手で、前作では仲間を後方から見事にサポートする役割を果たしていた。

立ち位置は仲間の支援が主だが、敏捷性にも優れており、敵の近接攻撃も持ち前の機敏な身のこなしで避けることも得意だった。

足も速く、リュードが鎧を着ている状態とはいえ、全力で逃げるリュードを走って捕まえたこともある。

普段リュードとプライベートで外出する時は長い髪の毛を降ろしているが、家で家事をする時や敵と戦う時は髪をポニーテールに束ねる。そんなピュアな時とアクティブな時とのギャップはまさに男心をくすぐることも多い。

主人公リュードの幼なじみであり、リュードと地球へと帰還した後、籍をクロスラッシュへと移し、無事リュードと結婚を果たした前作のヒロイン。

結婚後まもなく、リュードとの間に子宝を授かり、現在は妊娠中のために実家へと帰郷。

産まれは惑星「アスガルド」で産まれて間もなく、不慮の災厄を逃れるために地球へと飛ばされ、今の実家の両親に運良く引き取られたのである。

地球でも簡単な魔法であれば訓練次第で使える者もいるが、

レイミは地球には存在しない「マナ(魔法などを使う力の源)」の豊富な星で産まれたため、その魔力は地球人とは比べ物にならない程高く、高位の魔法でさえも、マナの存在しない地球でも扱うことが出来た。

・・・しかし、レイミは地球へ帰還してからは一度も魔法は使ってはいないのだ。

レイミは心に誓ったのだ。「アスガルド人」としてではなく、「地球人」として生きていくと。

『自分の持っている能力は、地球人にはない力。よほどのことがない限り、使ってはいけない。使えば使うほど、普通の地球人とはかけ離れてしまう・・・』

その想いを自分に課し、これからもレイミは地球人として生きていくのであった・・・

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