遊園地


ここは遊園地。


リョウタロウ、ソウヤ、シュンは3人で来ていた。


「わー!遊園地だー!」


「野郎3人で来てもな…」


「ほんまそれな」


はしゃぐリョウタロウと冷静な2人。


周りはイケメン3人組が歩いているだけで女性客はキャーキャー言っている。


「モテる男はつらいな」


「そんなん思ってるのお前だけだぞ」


「嘘だ!シュン!嘘だと言ってくれ!」


「それは否定出来ひんな」


「なんでぇー!はっ!あれはマスコットキャラクターのルーシーちゃん!ソウヤ、シュン、行くぞ!」


リョウタロウは一瞬落ち込むも、遊園地のピンクのクマのマスコットキャラクターを見付けて、ソウヤとシュンを無理矢理引っ張って行った。


「ルーシーちゃん!一緒に写真撮ってくれませんかっ?」


ルーシーちゃんはコクリと頷く。


「シュン撮ってー!」


「なんで俺やねん!はぁ…まぁええけど…行くでー」


ーカシャッー


リョウタロウに渡されたスマホでシュンは写真を撮った。


「サンキューシュン!ついでにルーシーちゃん!俺の彼女になっ…」


ーゴッツン!ー


「いってー!何すんだよソウヤ!」


「着ぐるみにまで口説いてんじゃねぇ!このド変態万年発情期!ほら乗りもん乗るぞ」


ソウヤはリョウタロウの頭を思いっきり叩いたあと、リョウタロウの首根っこを掴んでルーシーちゃんから引き離す。


「俺の愛しい彼女がぁー!あ!コーヒーカップ!乗ろうぜ!」


嘆くも乗り物を見たリョウタロウはコーヒーカップを指さした。


「一人で乗ってこい」


「右に同じ」


「そんな事させるか!ほら!2人共来い!店員さん

、大人3人ね!」


乗る気のしないソウヤとシュンを無理矢理リョウタロウがコーヒーカップに乗る。


そしてコーヒーカップは動き出した。


始まって早々、リョウタロウがコーヒーカップのハンドルを思いっきりグルグルと回し始めた。


「ちょ、リョウタロウ!」


「回しすぎや阿呆!」


「いぇあー!」


ソウヤとシュンの言葉を無視して回しまくった結果。



「うー…おぇ…」


リョウタロウ本人が気持ち悪くなった。


「だから言うたやろうが!」


「シュンの言う通りだ、調子に乗んな馬鹿!」


リョウタロウが吐き気を押さえ、2人に言う。


「うぇ、だって回したかったんだもん!よし!次はアレ乗ろう!」


指さした先にはメリーゴーランドが。


「ぜってぇやだ!」


「ほんまや、野郎がメリーゴーランド乗っても楽しないで」


「良いから!」


また無理矢理リョウタロウはメリーゴーランドにソウヤとシュンを乗せた。


メリーゴーランドが動き、リョウタロウは超目を輝かせ、ソウヤとシュンがやる気無さそうに揺られてる所を自撮り棒で写真を撮って、終了すると。


「これSNSにあげよ!」


「「やめぃ! 」」


2人からどつかれた。


「いったいなぁー!良いじゃねぇかSNSにあげるくらい!」


「恥晒しになるから絶対嫌だ」


「俺もソウヤ君と同意見」


「むー…んじゃジェットコースターで自撮りしよ!」


リョウタロウはまだ諦めてなかった。


「つかよ、リョウタロウ。ジェットコースターはカメラついてるぞ」


「そなの!?」


「そやで?乗り終わったあと写真も買えるで」


2人の言葉にパァっと笑顔になるリョウタロウ。


「んじゃ早速乗ろうぜ!」


意気揚々とジェットコースターを乗ろうとするリョウタロウにこれから悲劇が待っていることは誰も知らないだろう。


そしてジェットコースターに乗った3人。


「わー!景色良いなー!って、なんかドンドン上がってね?」


「まぁジェットコースターだからな」


「もうすぐ来るで」


ガタンゴトン…ガタンゴトン…


頂上に差し掛かった瞬間、一気に落下した。


「ギャーっ!!」


「おおー!」


「サイコー!」


パシャッ!


そこで写真が撮られた。


乗り終わったあと、リョウタロウは屍と化していた。


「し、死ぬかと思った…」


「お前が乗るって言ったんだろ」


「ほら見、写真出来てるで」


写真には目が白目のリョウタロウ。


ソウヤが意地悪く言った。


「写真買うか?」


すると速攻でリョウタロウが。


「こんなの俺じゃない!買わない!モテないから!!」


「モテるモテないで判断すんのかよ…」


「当たり前だろ?」


「…やっぱリョウタロウ君はリョウタロウ君やね」


「シュン…お前良い奴だな!付き合っ」


「褒めとらへんし付き合わへんわ!」


こうしてなんだか良く分からない遊園地の思い出が残ったリョウタロウであった。



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