学園祭(デメちゃん)

学園祭後半。


只今8人は出店を見て回ってる。


「おーい!皆置いてくぞー!」


「迷子になるのだけはやめろよ」


「ねぇ川田君、それ全部食べれるの?」


花音が聞いた。


川田の手に抱えてるのは出店で買った大量の食べ物。


「勿論だとも!代々警察官の血を受け継いでいるからね!」


「それ関係なくね?」


「川田君相変わらずだねー」


「まぁ人間すぐには変われないからな」


「わたあめ美味しーい!」


川田の言葉に眞白と終夜と時雨とアリスがそれぞれ呟いた。


そこでソウヤが川田に手を出し述べる。


「川田君、半分持とうか?」


「なんと言うことだろう!初めて優しくされたあぁー!!私はなんて幸せ者だろうか!」


川田は号泣しながらもテンションMAXだ。


「ソウヤ先輩、リョウタロウとか言う人はどこに行ったんですか?」


「アイツ早速迷子になったな…」


花音の一言にソウヤがゲンナリする。


すると…


「なぁ、あっちで金魚すくいやってんのリョウタロウ先輩じゃね?」


終夜が指を指した方向を見るとリョウタロウがいた。


「あ、ホントだ」


「はぁ、アイツは団体行動する気はないのか」


「私も金魚すくいやりたいです!ソウヤ先輩!! 」


「川田は勝手にやっとけ」


眞白の鋭いツッコミに項垂れつつ皆でソウヤの元へ向かった。


「おいリョウタロウこのバカが!自由行動してんじゃねぇよ!」


「俺あの赤いデメちゃん欲しいんだけど中々取れないんだよなー…」


「話を聞け!」


「なんかこの2人も…って言うか、ソウヤ先輩可哀想だよな」


時雨の零した一言に終夜が頷く。


「あー、将来ハゲ散らかすタイプかな?」


「終夜、それは禁句だ」


そんなやり取りをしている時雨と終夜を他所に、金魚すくいをやり始める数名。


「俺金魚すくっても飼うのめんどいからやらない」


眞白は最初からやる気無しだ。


「私は欲しいかな?でもこれ難しい!」


花音は悪戦苦闘。


「きーんぎょ、きーんぎょっ!」


アリスは…まだわたあめを食べていた。


「リョウタロウ先輩!赤いデメキンですね!私に任せてください!秘技!紙すくい!」


「紙すくってどうするんだ君は…」


思わず川田にツッコミを入れたソウヤ。


「取って取って取りまくるぞ!」


暫くして35回目…


「やっとGET出来たー!はい!どうぞリョウタロウ先輩!」


取れたのは黒い普通の金魚。


「ごめんね、俺はあの赤いデメちゃんが良いんだ。それになんかその金魚黒ずんでるし」


「そんな!眞白ちゃん金魚あげ」


「さっきの話聞けやボケ!」


「じゃあ花音ちゃん、この金魚を」


「やっぱいらね」


「あ、ちなみに俺もいらないから」


「同じく」


時雨と終夜にも見捨てられた川田。


川田は地面に手をついてショックを受けている。


ドンマイ、川田君。


するとさっきまでわたあめを食べていたアリスが金魚すくいのポイを持って一発で赤いデメキンをすくった。


それを見た全員は物凄く驚いた表情をしている。


そしてアリスはリョウタロウに、水とデメキンの入ったビニール袋を渡した。


「はい、どーぞ!」


「良いの!?よっしゃー!彼女が出来たー!デメちゃん愛してる」


リョウタロウはアリスに何度もお礼を言ったあと、袋の外側からデメキンにキスした。


「うわぁ…」


その行動に全員引いている。


「皆、気にしたら負けだ」


ソウヤがフォローする。


そして大分外が暗くなってきた。


「お外くらーい!」


「ホントだ」


「つい童心にかえってはしゃいでしまった!」


「俺ら帰ります」


「もうこんな時間が。俺らは片付けとかあるから見送れねぇけど…」


「デーメちゃんっ!」


「だからやめぃっ!」


袋に頬ずりするリョウタロウの頭をはたき、気を付けて帰れよと言って手を振った。


皆も手を振って帰って行った。


リョウタロウはデメキンと言う新しい彼女ができて幸せそうだ。


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