素朴な疑問


ーキーンコーンカーンコーンー


「なぁなぁソウヤ」


授業が終わり、前の席のソウヤにリョウタロウはシャープペンの頭で背中をツンツンして呼ぶ。


「つつくな!なんだよ?」


「そういやさ、俺の前の恋人の子猫ちゃんはどうなったんだ?」


そう、前にリョウタロウが拾ってきて飼い主が見つかるまでソウヤの所で飼っていた子猫(オス)の事が気になっていたのだ。


「あぁ、あの子猫か。飼い主見付かったから引き渡したけど?」


その言葉を聞いた瞬間、リョウタロウが信じられないと言った表情でソウヤを見た。


「なんてこと!?あの子ソウヤの事あんなにもメロメロだったのに!ソウヤはそれで良いのか!」


「良いも何も最初から飼い主見つかるまでだったしましてや人間でもなければオスだ!」


「ソウヤ、今からでも間に合う!奪ってこい!」


リョウタロウの意味不明な言葉に呆れるソウヤ。


「出来るか!何処まで阿呆なんだお前は!」


ここまで来るとソウヤも突っ込むのが疲れてくる。


「ソウヤもモテ運ないよなー」


「なくて良いし。つかお前と一緒にすんな!俺は帰る!」


ソウヤは筆記用具を仕舞い席を立つ。


それに対しリョウタロウは何故か同情したのか片付けながらソウヤに


「よし、今日は今からファミレス行こう!愚痴ならとことん付き合うぜ!」


「誰が行くか馬鹿 !しかもフラれた前提で言うんじゃねぇ!」


「俺の奢りだぜ?」


奢りと聞きソウヤに間が空いた。


その後。


「別に…ファミレスくれーなら…」


「よっしゃ決まり!」


ソウヤも意外とがめつい一面があったみたいだ。


ファミレスでリョウタロウのお財布が泣いたのは皆さんの想像通り。

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