Lady通り雨

雨降りの午後

僕は浮かない気分で

窓辺に座り頬杖をつく


窓の向こう

丘の向こうから

彼女はやってくる 


雨音に合わせて軽い足取り

彼女は雨を楽しんでいる


「嫌なことや悲しいことがあったって、それは通り雨のよう」


澄んだ声が雨粒を避けるように僕へ届く


「すぐに晴れるわ」


歌うように彼女は言う


「そう、ただの通り雨。あとには綺麗な虹が掛かっているわ」


彼女は軽やかにタップする


「さあ、踊りましょう」


僕を誘う


「もう、リズムは分かるわね?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る