第5話 『ショッピングモールのえる子と私。』

異世界にいこうが、奇想天外な冒険をしようが、生涯この人とだけと決めた相手と夜の商業施設で一晩を過ごせるほうがよっぽど魔法でファンタジーではなかろうか……。


なかな筆が進まずうんうんうなっている時にそんな考えがひらめき、その後はようやく話がまとまった物語です。



ショッピングモールというのはイマイチ神秘性に欠けあか抜けないものですが、そういうところにこそ美しい物語を宿らせたい……という執念で書き進めていたもののうまくいってますかどうか。




作中のスポットゲームの元ネタは現在放映中の女児アニメ「プリパラ」に出てくるプリパラです。

女の子と一部の男子がアイドルとして活動できる仮想空間への招待状が年頃になると届けられる、そんな文化を旧石器時代あたりから当たり前に共存しているあの世界……。私にとってはとてつもない謎と愛をささげずにはいられない魅力の塊です。

プリパラを見ていて日常生活と異世界でのレジャーが当たり前に共存している世界を作ってみたくてこの設定をひねくりだしました。プリパラはどうやらデジタルでヴァーチャル的な何かのようですが、こちらは本物の異世界です。


本当はこの設定で魔法使いの志望の女の子数人が出てくる日常系漫画のような物語を作る予定でしたがコンテストの規定枚数に収まらず、うんうん悩んだ末に設定だけ生かしてこのような物語にまるっと変更した次第です。

本来書くつもりだった物語はもともと以前から形にしたかったものなので、そのうち書き始めるかと思います。




私の書くものは女子と女子が勝手に横でつながっていく特徴がありますが(もともとそういう物語が好きなこともあります。ちなみにプリパラで好きなのはあろみかです)、実は恋愛感情を主軸にしたガチの百合は書いたことがなく「じゃあいっちょ挑戦してみよう」と取り組んでみた小説でもあります。


といっても濃厚な恋愛をお好みの方にはあっさりしすぎで物足りないかもしれませんが、こんなのでも作者史上一番濃厚なのですよ……。




楽しかった半面、苦しみも課題も見えた小説です。

受け入れていただけると幸いです。


2017.9.13

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