第3話 ※追記アリ『嘘松アーニャの夢色異世界』

 転生先ではスマホを使い放題にしてくださいと頼んだ主人公が活躍するお話がアニメになったと聞きました。


 スマホが使えるというなら元いた世界の人と連絡をとりあって家族や友人を安心させた方がいいんじゃないか、どうせならこんなとこがあったと報告すれば娯楽になるかも。でも絶対元いた世界にいた方は絶対信じなくて「バカ言ってないで早く帰ってこい!」だろうな…というくだらない妄想が出発点になった一発ネタの小説です。


 作中のアーニャは真偽が不明のつたない物語を実話だという触れ込みでSNSに投稿し、多くの人間をヤキモキさせます。この時の「ヤキモキ」は私がよく感じるものです。

 見え見えの嘘には苛立たしくもなんとも言えない味と魅力があることはたしかなようです。


 どうも長々語りすぎる所があるので何が何でも短い物語を書いてやるという目標で書いてみましたが、やっぱり少し長かったような。


 よろしければどうぞお楽しみください。


 追記

 タイトルの元にしたり本編にも出した米原万里著『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』は大変面白い本なので未読の方は是非ご一読を。


 2017.8.4


 

※さらに追記

 

 おかげさまで、アーニャを読んでくださる方が今でも時々おみえになります。

 嬉しいことです。

 作中のアーニャは非常に困ったやつですが、私にとっては一番の孝行娘になりました。名刺代わりになってくれますし……。


 以下は「日帰りファンタジーコンテスト」のピックアップ作品に選ばれた時に近況ノートに書いた文章になります。こちらの方がよりあとがきにふさわしい気がしましたので、転載することにしました。

 よろしければお読みください。


◆◇◆◇

 アーニャがえらいことに。

「日帰りファンタジーコンテスト」に応募していたアーニャのお話が、編集部のピックアップ作品に選ばれておりました。


 あわわわわ……。



 出先での用事が一段落したタイミングで知ったのでその後しばらくどういうテンションですごしたら良いのか分からず、『ちびまる子ちゃん』の4巻にあったまる子が賞状をもらうエピソードを思い出すなどしてやりすごしておりました(絵画コンクールで賞をもらったので全校児童の前で賞状を受け取ることになったのでテンションの上がったまる子が家族に対し「まる子の一生の晴れ舞台なんだよ」「ちょっとこれ普段着じゃない。スパンコールの入ったドレスとかないの?」など浮足立ちまくったセリフを言い放ち「これが一生の晴れ舞台ならずいぶん貧乏クジを引いたものだ」とか「それでは大晦日の八代亜紀である」等とナレーションでツッコミを入れられる。……いま手元に単行本が無いのでうろ覚えですが)。



 日頃褒められることが極端に少ない人間はこれだからいけませんね。



 おかげさまで少し冷静さを取り戻しております。



 改めまして、『嘘松アーニャの夢色異世界』をお読みくださった方、評価・応援してくださった方、皆様ありがとうございます。

 お陰さまで自分ではベストと思える結果を得ることができました……。


 コンテストの趣旨に反して微妙にカテゴリーエラーな本作でここまでの結果が出せたことが何よりの喜びです。


 重ねがさねありがとうございます。




 近況ノートなどで書いていた通り、「アーニャ」は実際に虚言としか思えない夢みたいな日々の生活をほぼ毎日webで報告する人をイライラしながらもチェックし続けていた自身の感情を核にして作った物語でした。



 ノンフィクションを謳っているけれど明らかにフィクション、しかもクオリティーが低い、そんな物語をイライラしながら上から目線で見ている自分は何者、何様……? すくなくともこの人はこの作品で本を出してるけどお前はなんにも成し遂げてないぞ? ……となっていた虚しい日々の積み重ねがおそらくこの物語に結晶化したと思われます。


 ネガティヴな感情も使いようだなと、改めて思いました。



 ……なんだか長いおしゃべりをしてしまいました。

 近況で思わぬことをだらだらと語ってしまう程度にまだちょっと浮かれているようです。

 2017年12月11日

  

◆◇◆◇


 「虚言としか思えない夢みたいな生活をノンフィクションとして公開しているやつなんているのかよ?」という方もいれば「ひょっとしてあの人?」とピンとくる方も中にはいるのではないかと思います……答え合わせはしませんが。


 ほっとけば文字数が増えてしまうマンなので、またいつかアーニャぐらいの短い話に挑戦したいなと思っております。



2018.3.6


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