第9話:メインプレイ:ミドル8-1
GM:次のミドル。どんなシーンを立てますか?
昭人:ローザに、会いに行く。
ローザ:会いに来て。
GM:おう、行ってこい。シーンインをどうぞ。
昭人:シーンイン! (コロコロ)6点上昇、70%!
ローザ:シーンイン! (コロコロ)5点上昇、86%!
昭人:では射撃訓練場の扉をくぐるけど、ローザさんはどこに?
ローザ:防音室になってる射撃レーンで、拳銃を撃ってるー。
でも、いつもよりだいぶ、的から外れてるね。
昭人:では、そうだな。
隣の射撃レーンから発砲音が聞こえ始める。音は散発的で、素人が銃を撃っているように聞こえるよ。
ローザ:「……?」
(私以外にここを使う人なんて……?)
昭人:様子を確認すると、そこで銃を構えているのは、姿勢からなにからまるで素人な昭人です。
ローザ:「っ!」
自分の拳銃を置いて、後ろから近づく。発砲の合間に、後ろから昭人さんの拳銃にセーフティをかけるよ。
「何を……何をしてるの! 桜華さんッ!」
昭人:「……あ、やっと気づいてくれた。声かけても聞こえてないみたいだったから、こっちなら気づいてもらえるかなって」
ローザ:「……それは、ごめん……でも、ダメだよ。一般人の、素人が、銃なんて撃ったら」
途中から、無意識に、胸に手を当てているよ。
昭人:「……無理、してるよね。茨木さんが辛そうなのは、記憶を失くしててもわかるよ」
ローザ:「――そんな、こと……そんなこと、ない」 ずきり、と胸が痛み、置いた手に力が入る。
昭人:「……ごめんね、辛い思いさせて」 その手を、優しく握る。
ローザ:「……っ。桜華さんは、そういうとこ、ずるいと思う」
昭人:「……ごめん、それはよくわからないや」
ローザ:「桜華さんは、誰にだって優しくて。私の、シャドウにすら」
昭人:「茨木さんのシャドウとも会ったんだね、きっと、仲良くなれそうな気がするけど」
ローザ:「……仲良くなんて、しなくていい。あれは私の、弱い部分だったから」
昭人:「……? でも、彼女も茨木さんなんでしょ? 俺と茨木さんは、仲良くない?」
ローザ:「……桜華さんは……っ……私に、関わるべきじゃない」
昭人:「……どうして?」
ローザ:「私の記憶を取り戻したら。また桜華さんを、戦いに近づけちゃうから……頼っちゃう、から」
昭人:「それは、悪いことなの?」
ローザ:「……だって。次は生きて帰れないかもしれない。次は良くても、その次はダメかもしれない。
……私のせいで、桜華さんを喪うかもしれない!
私はッ! ……私は、桜華さんを失いたく、ない」 最後は消え入りそうな声で呟く。
昭人:「……ありがとう、俺のために、色々と考えてくれて。でも、俺は戦うことに抵抗してた? 茨木さんは、そんな俺を無理やり戦わせたりした?」
ローザ:「それは――」
昭人:「きっと、そんなことはないでしょ? 茨木さん、優しいから」
ローザ:「……望んでも、いいのかな」
昭人:無言で先を促す。
ローザ:「桜華さんと、離れたくないって。そんなワガママ……望んでも、いいの……?」
昭人:「いいんじゃないかな。それを、俺は嫌がったりなんてしないよ」 ローザの頭を撫でる。
ローザ:その手を、静かに受け入れながら。
「私は。私の、この気持ちの名前は――」
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