第5話:メインプレイ:マスターシーン2

GM:では、次はマスターシーンだ。

 君たちが弱小FH構成員たちを捕縛している頃。いつも通り敗走した春日恭二の描写をやっていくぞ。

春日(GM):「くそっ、くそっ! 何故、どうして私は負けるのだ! 勝ちたい……私の邪魔をした奴らに、復讐してやりたい……!

 諦めん、絶対に諦めんぞぉぉぉ!」

GM:人気のない路地裏で、独り絶叫する春日恭二。当然、その悲しみに応える者はいない……はずだったのだが。

 それは、春日恭二の目の前のガラスから聞こえてきた。

春日シャドウ(GM):「勝利と復讐を願うか……ならば、私と手を組むがいい」

春日(GM):「な、なんだ。誰かいるのか!」

春日シャドウ(GM):「私はお前、お前自身さ。だが、そんなことはどうでもいい。勝ちたいのだろう? 復讐してやりたいのだろう?

 ならば私と手を組み、奴らに鉄槌を下してやろうではないか! 案ずるな、私はお前の味方だ」

GM:その言葉と共に、鏡面から“春日恭二のシャドウ”がずるりと姿を現す。

春日(GM):「私と同じ姿だと!? 面妖な奴め。だが、いいだろう。手を組んでやる。そこまで言うからには、何か良い方法があるのだな?」

春日シャドウ(GM):「えっ」

春日(GM):「え?」

春日シャドウ(GM):「方法? そんなものはお前が考えろ」

春日(GM):「なんだと!? アイデアもないのに手を組もうなどと言い出したのか貴様は!?」


昭人:シャドウになっても春日は春日だったよ……。

ローザ:一瞬かっこいいと思ったのに(笑)


GM:そうして二人の春日の間で始まる、目が回るような問答。ああでもない、こうでもないと罵声が飛び交い、話は一向に進まない様子だ。

 そんな頭の悪いやり取りを続ける二人の前に、鏡面から闇が溢れ出し、新たな人影が現れる。

ローザシャドウ(GM):「……あなたたち、馬鹿なの。さっきから観察していたけど、無意味なやり取りに時間を浪費して……愚かね」

春日(GM):「なんだと!? って、貴様は……さっき邪魔してきた奴ではないか!?」

ローザシャドウ(GM):「確かにそれは私だけど、私であって私ではない……あなたに知恵を貸してあげる。

 私、奴らの拠点を知っているの。場所を教えてあげるから、その代わりに、そこにいる私を殺してきて」

春日(GM):「な、なにやら話がややこしいが……あの邪魔者共の拠点を知っているのだな? ならば私に教えろ! 今度こそ息の根を止めてくれる!」

春日シャドウ(GM):「うむ、私もよくわからないが……いいだろう、今度こそ奴らにぎゃふんと言わせてやろうではないか!」

ローザシャドウ(GM):「交渉成立ね。奴らの拠点は――」

GM:こうしてここに、春日恭二と二人のシャドウによる、何とも奇妙な共闘関係が成立したのだった。

 といったところでマスターシーンは終了だ。

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