第4話 魔王バルトラ

この魔王、ただひたすらに弱かった

リーダーシップがあるため魔物が付き従いしっかりと護衛に付いているものの、もし反逆でもされればなす術なく倒されるであろう

それほど弱いのに何故今まで倒されなかったのか、その理由は護衛にある

バルトラの護衛に付いている魔物は1人は別の魔王、1人は本来格上のはずの大魔王、最後の1人は母親であるメドゥーサなのだ

バルトラを倒しに来た勇者は思うだろう

こんな化け物を従える魔王はどれほど強いのだろうか…と

だがそれはとんだ的外れだ

護衛の魔王、大魔王はメドゥーサが怖くて従っている

バルトラは気づいていないようだが、母親であるメドゥーサは魔王だろうと大魔王だろうと気に入らなければ構わず石にしてしまうのだ

故にその2人の護衛は従うしか無いのだ

ちなみに父親は大魔王リオネッタ(かつて最強と言われた今亡き大魔王)である

何故この親からこの子が生まれたのかは疑問だが、バルトラも一つだけ強い所を持っていた

それは「可愛さ」である

恐らくこの世界でバルトラ以上にかわいい少女はいないであろう

それほどに可愛かったのである

ただ、その姿を見た者は一人もいない

なぜならその前にメドゥーサに石に変えられてしまうからである

そのため、噂ではあるが世界一かわいい少女、魔王バルトラを一目見ようと城へ向かい、犠牲になった人は多いという

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