第2話 勇者リア

リアはとある小さな村村で生まれた少年だった

幼い頃から山で遊び、次第に逞しい青年となった

そんなある日、村に魔物の群れが押し寄せてきた

その群れは大きく、辺りの魔物を全てかき集めたのかと言うほど多かった

無論、村人達は抵抗したが、結果は火を見るより明らかであった

その時丁度隣村へ買出しに出かけていたリアが村へ帰ってきた

リアは激昴した

見るも無惨な姿になった家族や友人を見て激しく怒った

そして、それに気づいた魔物の群れは狩り残した人間に襲いかかった

リア「俺の…大切な物を…奪いやがって…!」

次の瞬間、真っ先に襲ってきた魔物が細かく刻まれ地面に落ちた

リアの右手には小さな盾が、左手には自慢の大剣が握られている

魔物達は唖然とした

が、すぐに正気に戻り目の前の人間に襲いかかった

数分後、魔物は全滅し、リアの服は魔物達の返り血で染まっていた

リアはこの時決意した

自分と同じ悲しみを、決して他の人に味わわせはしないと

自身が勇者となり、世界を守ろうと

そしてその身でその地の魔物を治める魔王フラリスのいる城へと向かった

フラリス「貴様は何者だ、どこから来た命知らずめ」

リア「ここから少し行った小さな村だ、魔王」

フラリス「はて、そんな所あったかな、忘れてしもうたわ」

魔王は勇者を嘲笑うように言った

リア「……」

勇者は黙ったまま左手に持った大剣を真っ直ぐ振り下ろした

すると、魔王の体が縦に真っ二つに引き裂かれていく

剣は全く触れていないのに

フラリス「なっ…んだ…これはぁぁ…!」

魔王はなす術なく敗北した

そしてここに、最強の勇者が誕生した

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る