彩る君に恋をした。

椎名 椋鳥

プロローグ

プロローグ


「ここ、綺麗なところでしょ」

一面に広がる真っ青な草原、水色の髪の美少女が笑顔でそう俺に言ってきた。


「ここにいると落ち着くんです、何もかも全部忘れられるから」

風で靡く水色の美しい髪を右手で抑えながら、彼女は薄っすら微笑んでいた。水色の表す通り、純潔で優美な風貌。


ここはどこか分からない。なぜここに、こんな美少女といるのかも分からない。


「私、そろそろ行かなきゃいけないわ。最後にあなたの名前を教えてくれる?」

「……金指 湊(かなざし みなと)。」

「かなざし みなと君ですね。私はレオナ。じゃあそろそろ行いきますわ」

 

 俺は慌てて、

「また……会えますか?」

 なんでだろう、不意に出た言葉がこれだった。

「また会えます、必ず!」

 そう言うと彼女は笑顔を見せ、駆け出していった。

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