第28話 浅緑

教室の窓の外に

あなたの笑顔を探すの


無造作に延びた

浅緑あさみどりの若葉のすき間から


校庭で走るその姿

目で追うわたし

授業も上の空


不意に指名され

しどろもどろで

答えるわたしに


みんなは少し笑ったけれど

助け船をだしてくれたのは

いつも嫌味なアイツだった



夢から現実に引き戻された

憧れはただの憧れで

現実はそれでも厳しくて


周りを見渡せば

今まで見えなかったものが

だんだんと見えてきた


気がした



嫌味だと感じていたのは

わたしのこころがまだ蕾だったから


ふと気づいた新しいこころの芽に

柔らかな風が通り過ぎた


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