祈り
祈りとして言葉を捧げようとしても
けれど何も思いつかないのです
僕の脳は虫に犯されてしまって
明日を見ることすらできないのです
もしかしてそれは誰かの夢だったのかもしれない
けれど僕はその地位を捨てて
ドラッグストアでレジを打っています
田中さんが明後日で辞めるから
僕の負担は増えるでしょう
たたでさえ虫に悩まされてるって言うのに!
もしかして僕は誰かに愛されているのかもしれないよ
けれどこの部屋には僕しかいない
慰めのように流すロックが
僕の脳の虫まで刺激する
まるでいいことがないよ
本当に君は僕を愛してくれているの?
ざわざわと虫が囁く
ああどうして
この虫はなんですか
なぜ脳で飼わなきゃいけないのか
言葉を繰って
どうにか君に伝えようとする
どうしてこんな不毛なことをしなくちゃいけない?
もう無理だと諦めてもいいのに
君が僕を見すえるから
神様みたいにそこにいるから
何をしたって変わらないのに
毎夜うなされる夜に
出口などありはしないのに
君が僕を見すえるから
神様みたいにそこにいるから
真っ黒な世界に僕の虫がいて
端からガリガリ噛んでいく
勤勉な虫の隣で
なぜ君はそこにいるの?
どうして出口を塞いでいるの?
祈りを捧げようとしても
全部虫が食べてしまった
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