fragmentary fright
「ちょっとしたクイズみたいなもんだと思って聞いていただきたいんですがね」
「とある物質が実在するんです」
「はあ」
「その物質を冷やして固めたもので急所を殴られると、命を落とす可能性があります」
「ええ!」
「また、その物質を熱したものも凶器になり得ます」
「うわあ!」
「常温のものでも、一定以上摂取すると死に至ります」
「ぐわあ!」
「そして実は、この物質は私達の身近に存在します」
「嘘!?」
「本当です。 ……さて、どう思いますか?」
「そんな危険なものなら、排除しなきゃダメじゃないですか!」
「そうですか。ちなみに、この物質は水です」
「え…… な、なら排除しちゃダメですね……」
「はい。水とは全く違うものなので一緒にしてはいけないんですが、これに少し似ている気がするんですよね。断片的な情報だけで例の新型ウイルスに過剰な恐怖心を抱いてしまうのって。
風邪やインフルエンザの予防と同様に、マスクをしたり、手洗いうがいや消毒などに気を配りつつ、怖がりすぎずに普段どおり過ごしていただければいいと思いますよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます