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浅野新

第1話 プロローグ

 大体その日は朝からツイていなかったのだ。


 目覚まし時計は止まっていたし、お母さんは炊飯器のスイッチを入れ忘れていたし。

だから私はおかずだけの寂しい朝食をかきこみ、慌てて学校まで自転車を走らせたのだ。

そうしたら途中で急に雨なんか降ってきて。雨の中必死に自転車をこいで、濡れた髪も服もお構いなしでなんとか始業時間に間に合ったと思ったら、一時間目の現国の教科書を忘れた事に気付いて。教室に入ったばかりだったのに、教科書を隣のクラスの友達に借りに行こうと、またすぐ教室を飛び出したのだ。


 その時だ。

 一番ツイてない出来事が起こったのは。

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