赤い月煮込み

兎が月を煮込んだのは百五十年ぶりだそう。

真っ赤な熱々の月を冷えた夜と一緒にお口の中に放り込めば、

すぐさま夜はとろけて舌に吸い込まれるの。

舌の上は舞踏会。

引き裂いた枕の腹から取り出して

夢と絡めた羽毛のスパイスが踊り出す。

頬が落ちる前に

羊の給仕へ追加注文しましょうか。

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