月兎の白玉団子

差し出されたのは白玉団子。

南瓜と人参を加えて甘く仕立てたらしい。

ぷすぷす、と鼻の穴を自信満々に膨らましながら

彼は愛用の杵を小さな白い身体で持ち直した。

赤い瞳に見詰められ「流石は職人。実に美味にごじゃいます」と、

素直な感想を述べれば、

彼は月に届きそうなほど飛び跳ねた。

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