忘却の水飴
夕暮れ時の、
懐かしくて切なくなって、
家ではないどこかに帰りたくなる想いと、
帰り道を忘れた亡霊を練り合わせた黄金色の水飴。
甘く、
優しいのに、
涙がホロホロ零れてくる。
自分の影に縋りたくなるその味は
絶対に忘れたくないけれど、
食べ終えたら絶対に忘れてしまうの。
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