問いかけと、思惑と、
その言葉に目を丸くして
王をまじまじと見やるノア。
少年は唇に薬指を当て読唇術を避け
電子音よりも小さな声で思考整理して
王に問いかけた
「変な質問だけどな、
何が終わることを差して言っている?」
「なに、の、って、国の…」
声は動揺はするも視線を逸らすことなく、
言葉を区切る様に、緊張の面持ちで答える王
「そんな殊勝な回答で良いんだな、
それを答えと取るが、」
「違っ、」
ノアは、眉一つも動かさない。
白亜の石膏が如く、冷徹で、厳格な無表情の眼。
ただ淡々と、王に問う。
戸惑っていると、
ベリルの穏やかな熱声が響く。
「もう悩まなくてもいい。
全てを続ける方法はあるのだから」
何もかもから逃れられると告げる青年。
甘い言葉の羅列であると言うのに、
彼の言葉は、固く、真っ直ぐだ。
「それも、まだ、」
王は、考えながらも、
一つ、
一つ、
言葉を、声として、
呟いていく。
「………俺は、」
震えた唇が収まるのを、
二つの双眸は見つめている。
「どちらも、正しく見える」
「時間を、くれないか。」
少年王は、
どよめいた空気を壊す様に、
周りに目配せをすれば、彼らと目が合う。
そのまま、玉座の奥の間へと入っていくと
目が合ったもの達は、そのまま付いてきた。
「っと、
これは8時間ぐらいかかると見た」
周りに人がいなくなってから、
ノアは呟いた。
「何故、否定しなかった」
「言葉が足りない」
「……よく言われるが、」
「そうだろ?
なら、
いつ、どこで、何を、どうした。で答えろ」
「言うと思うのか」
睨むベリルの視線を感じ、
目線を合わせずに、深い溜息を吐く。
ノアには理解不能なのだ。
『万物話せば分かる』という理想論が。
「あ、野菜の世話しねぇと」
「……聞いているのか、」
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